2000 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下におけるカルコゲン半導体-金属転移の光学測定
Project/Area Number |
11640304
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山本 逸郎 弘前大学, 教育学部, 助教授 (40210520)
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Keywords | カルコゲン / セレン / セレンクラスター / 超音速ジェット法 / PEPICO |
Research Abstract |
セレン(Se)、テルル(Te)、イオウ(S)のカルコゲン族は、価電子帯の最上部に孤立電子対を持ちながら2配位共有結合で原子同士が結合するというユニークな電子状態を取るために、固体状態や液体状態において、鎖状構造や環状構造など多様な原子配列のトポロジーを示し、また、圧力や温度の条件を変えることによって半導体-金属転移を引き起こすことが知られている。 本年度は、超音速ジェット法により自由空間中にSeクラスタービーム(Se_2及びSe_5)を作製し、そこにKEKフォトンファクトリーのシンクロトロン放射光を照射して、Se K-エッジのまわりで光電子-光イオン同時計数(PEPICO)測定を行った。 その結果、Se_2PEPICOスペクトルには、z/n=1〜7の整数に相当するブロードなピークが現れるが、z/nの半整数のピークは見られない。また、観測されたピークは二重に分裂し非対称である。これらの結果は、X線吸収によるオージェ効果により多価イオンがカスケード的に生成されるが、多価イオンの生成の際、クーロン反発によりn=2から1への分裂が生じていることを示唆している。さらに、ピークの半値幅を解析することにより、多価イオンは分裂の前、最大8価の電荷を持つ。等の知見が得られた。
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