1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640305
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虻川 匡司 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (20241581)
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Keywords | 熱散漫散乱 / 電子回折 / 表面構造解析 / パターソン関数 / 直接法 / 固体表面 |
Research Abstract |
本年度は、新しい表面構造解析法である振動相関熱散漫散乱法の実験をより精度よく行うために、2次元データの計測システムを構築し、それを使って計測を行った。このシステムは、暗い光を効率良く捉える冷却CCDカメラとダイナミックレンジの高い画像取り込みボードとそれを組み込むコンピューターシステムからなっている。このシステムを利用して振動相関熱散漫散乱を測定した結果、これまでと同じ精度のデータを8倍の速度で取り込むことができるようになった。この新しいシステムを使ってSi(001)2x1清浄表面、Si(111)【square root】3x【square root】3-In吸着表面の構造を振動相関熱散漫散乱法で調べた。その結果については、現在学術雑誌に投稿中であるが、この振動相関熱散漫散乱法が0.1Åという高い精度で表面構造を直接観測できる手法であることが明らかになった。また、本年度は、研究技術取得のためマルセイユ大学のG.LeLay教授、チューリッヒ大学のJ.Osterwalder教授の研究室を訪問した。LeLay教授の研究室では超高真空中での試料の冷却技術について学び、J.Osterwalder教授の研究室では入射電子線をパルス化する時間分解測定の技術を学んだ。いずれの技術も振動相関熱散漫散乱法の発展に欠かせない技術であり、今後の研究に組み合わせて実現して行きたいと考えている。
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