2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640318
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
溝口 幸司 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (10202342)
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Keywords | コヒーレントフォノン / 交渉性 / 同位体Ge超格子 |
Research Abstract |
本研究では、構造を持った半導体超格子中にコヒーレントフォノン波束を生成し、時・空間領域でのコヒーレントフォノン波束のダイナミクスを研究する。特に、空間伝搬特性、空間干渉性などの測定からコヒーレントフォノン波束の特性を調べ、その結果を基にコヒーレントフォノンの生成メカニズム、および、検出メカニズムの知見を得ることを目的としている。 本年度は、マイケルソン型干渉系を用いて半導体超格子に2つの励起パルスを照射し、時間的に分離された2つのコヒーレントフォノンを生成した。そして、フォノン同士の衝突の際に生じる振幅、振動数および位相の変化を調べた。また、コヒーレントフォノンの特性から、低温での測定が最もS/Nの良いデータが検出されるため、低温クライオスタットを用いて測定を行った。 コヒーレントフォノンの干渉性を、n-GaAsを用いて調べた。測定は、マイケルソン型干渉系を用いて励起パルスを2つにし、時間的に分離したコヒーレントフォノン同士の干渉性を調べた。すなわち、1つ目のパルスによって生成されたコヒーレントプラズモン-LOフォノン結合モードが2つ目のパルスによって、振幅、振動数、位相がどのように変化するかを調べた。その結果、コヒーレント結合モードは2つ目のパルスによって振動数が高振動数側に変化した。さらに、2つの励起パルスの時間間隔を変えることで、2つ目のパルス以降のコヒーレント結合モードの振幅が劇的に変化した。これらの結果は、1個目のパルスによって生成されたコヒーレント結合モードは、2つ目のパルスによって新しい状態へと移り、2つ目のパルスによって生成された結合モードの振幅に影響を与えていることを示している。すなわち、これは、コヒーレントフォノンの時間的および空間的干渉性を示しているものと考えている。また、低温におけるコヒーレントフォノンの測定について、同位体Geからなる超格子中のコヒーレントフォノンを観測した。結果から、今回始めて折り返しLOフォノンを観測したことを報告した。
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[Publications] K.Mizoguchi,F.Miyamaru,M.Nakajima,M.Hase, and S.Nakashima: "Study of coherent LO phonon-plasmon coupled modes by double pulse excitation"J.Lumin.. 87-89. 939-941 (2000)
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[Publications] M.Hase,K.Mizoguchi, and S.Nakashima: "Generation of Coherent THz Phonons in GeTe Ferroelectrics"J.Lumin.. 87-89. 836-839 (2000)
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[Publications] S.Nakajima,K.Mizoguchi,K.Morita,K.Itoh,H.Harima, and S.Nakashima: "Comparison of coherent and incoherent LO phonons in 70Ge/74Ge superlattices"J.Lumin.. 87-89. 942-944 (2000)
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[Publications] K.Morita,K.M.Itoh,J.Muto,K.Mizoguchi, and et al.: "Growth and Characterization of 70Ge/74Ge Isotope Superlattice"Thin Solid Films. 369. 405-408 (2000)