1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640365
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保 健 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30015862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
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Keywords | 軌道縮重 / 強相関電子系 / 強磁性 / マンガン酸化物 / 二重交換相互作用 / 量子ゆらぎ |
Research Abstract |
平成11年度は以下の研究を行った。 1.2重縮退のある1次元ハバード模型の基底状態を密度行列繰り込み群の方法を用いて研究した。quarter-filledで有効的な引力が働く場合を詳しく解析した結果、従来電荷密度の長距離秩序が発生すると考えていた結果に誤りがあることが、判明した。この結果については2000年度中に論文として出版公表する予定である。(久保) 2.いわゆる2重交換模型における量子効果の影響を調べるために、無限大次元における基底状態の研究をおこなった。局在スピンの大きさSが1/2、3/2、∞の場合について計算を行い、基底状態相図、磁化、電子状態密度を比較した。その結果、局在スピンの量子揺らぎは強磁性状態を不安定化するが、反強磁性状態は安定化する事が判った。そのほか相分離の発生、電子状態等についての新しい知見が得られた。またバンドの形が磁性に対してどのような影響を与えるかを調べるために、ガウス型と半円形の2種類の状態密度を選び計算を行い、その結果を比較した。(久保) 3.マンガン酸化物におけるスピンと軌道自由度の関連を調べた。その結果、通常の強磁性スピン波がJahn-Teller結合を通じて軌道自由度と相互作用する場合、分散関係の交差する点よりも高エネルギー側でスピン波の寿命が非常に短くなることを示した。これはマンガン酸化物でスピン波が20meV程度以上で急激に線幅が増大する現象を説明する。(古川)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kubo, D.M.Edwards, A.C.M.Green, T.Momoi, and H.Sakamoto: "Magnetism and Electronic States of Systems with Strong Hund Coupling""Physics of Manganites"ed.by T.A,Kaplan and S.D.Mahanti., Kluwer Academic/Planum Publishers N.Y.. 71-86 (1999)
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[Publications] D.M.Edwards, A.C.M.Green and K.Kubo: "Electronic structure and resistivity of the double exchange model"J.Phys:Condens. Matter. 11・13. 2791-2808 (1999)
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[Publications] T.Momoi, H.Sakamoto and K.Kubo: "Magnetization plateau in a two-dimensional multi-spin exchange model"Physical Review B. 59・14. 9491-9499 (1999)
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[Publications] N.Furukawa: "Magnon Linewidth Broadening due to Magnon-Phonon Interaction in Colossal Magnetorosistance Manganites"Journal of Physical Society of Japan. 68・8. 2522-2525 (1999)