2000 Fiscal Year Annual Research Report
強相関電子系に対する動的分子場とスピン揺らぎの統一理論の開発
Project/Area Number |
11640367
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐宗 哲郎 埼玉大学, 理学部, 教授 (90142926)
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Keywords | 強相関電子系 / 動的分子場 / スピン揺らぎ / 重い電子系 |
Research Abstract |
本年度は,動的分子場理論(DMFT)とスピンゆらぎの自己無撞着繰り込み理論(SCR)の,強相関電子系にも適用可能な統一理論について,その基礎付けについてさらに検討するとともに,理論の中で用いている改良反復摂動法を軌道縮退のある場合へと拡張し,統一理論を今後拡張するための足がかりとした。これらについてはすでに論文として印刷済みである。 具体的には,まず,スピン揺らぎの理論として一方で有力視されている「2粒子自己無撞着理論」をAnderson不純物に適用して,この理論が強相関極限で予想される小さなエネルギースケールを再現できないことを見出した。つぎに,この点を改良すると,結局われわれが昨年提案した「統一理論」に行き着くことを示した。また,現象論的に提案されていた「改良摂動論」を,ある仮定の下にミクロに導出することができた。さらに,スピン揺らぎは入れない場合ではあるが,改良摂動論を軌道縮退のある場合に拡張することができた。これは,すでにスペインのグループにより提案されていたものに対してずっと簡潔で使いやすいものになっている。軌道縮退がある場合に,強相関でも使えるスピン揺らぎの理論を作ることが今後の課題である。 また,本年度は,強相関系のうちの近藤絶縁体の熱電能がすぐれた特性をもつことから注目されており,我々は特にYbB_<12>とFeSiの熱電能について研究した。その結果を東京大学物性研究所研究会で研究発表し,さらに年度末の日本物理学会においてシンポジウムで講演する予定であるが,今後スピン揺らぎとの関係が発展する可能性があり,次年度の課題としたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Saso: "Iterative Perturbation Theory for Strongly Correlated Electron Systems with Orbital Degeneracy"J.Phys.Cond.Matter. 13. L141-146 (2001)
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[Publications] T.Saso: "Kondo semiconductor---Study of FeSi from the view point of strong correlation"Proc.of the 25th International Conference on Semiconductors. (2001)
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[Publications] T.Saso: "Investigation of the Two-Particle-Self-Consistent Theory for the Single-Impurity Anderson Model and an Extension to the Case of Strong Correlation"J.Phys.Soc.Jpn.. 69. 3912-3916 (2000)
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[Publications] K.Urasaki and T.Saso: "Correlation Effects in Multi-Band Hubbard Model and Anomalous Properties of FeSi""New Properties of Matter due to Ordering and Fluctuation of Electron Orbitals--Comprehensive Study of f- and d-Electrons--"News Letter. Vol.1 No.2. 83-84 (2000)
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[Publications] K.Urasaki and T.Saso: "Many-Body Effects on the Optical Conductivity of the correlated Band Insulators"Physica B. 281 & 282. 313-314 (2000)
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[Publications] O.Takagi and T.Saso: "Excitation Spectra of Anderson Impurity under Magnetic Field "Physica B . B 281 & 282. 185-186 (2000)
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[Publications] T.Kitajima and T.Saso: "Unified Theory of Dynamical Mean Field and Self-Consistently Renormalized Spin-Fluctuations"Physica B. 281 & 282. 853-854 (2000)
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[Publications] T.Saso: "Theory of Kondo Insulators under Strong Magnetic Field"Physica B. 281 & 282. 315-316 (2000)