1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640396
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
香川 貴司 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30031686)
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Keywords | 原子スペクトル / 原子構造 / 固体表面 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は、大きく分けて次の2つである。(1)イオンによるバンド電子の捕獲確率を第一原理から出発して、その大きさを評価する。(2)Krイオンと固体表面との衝突実験によるK-X線スペクトルのシミュレーションを行う。 (1)に関しては、Pedagogical大学(ポーランド)物理学科のKoc博士を招聘してその知識コード開発の技術の提供を受け、Auger遷移確率の計算を非直交波動関数を使って行うこと、および、プラズマ中のイオンの構造や固体の電子状態を求めるために有効な、Kohn-Sham理論によるlocal density functional theory(LDFT)の方法による固体中の高電離イオンの電子状態の計算法の開発をすることで共同研究を行った。現在その計算法に基づくプログラムを開発中である。 (2)に関しては、D1の院生との共同研究として、Krイオンを使った固体表面との衝突実験を想定して、観測されるK-X線のスペクトルをCoster-Kronig遷移による影響を取り入れた詳しい解析を行い、その成果を、原子衝突国際会議(1999年7月、仙台)、理研シンポジウム(2000年12月、理研)、宇宙空間原子分子研究会(2000年1月、宇宙研)で発表した。また、現在、Neを使った実験のシミュレーションも行っている。Ne-like原子系の構造についてのRelativistic Configuration Interaction(RCI)法による計算結果は現在投稿中である。
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Research Products
(1 results)