1999 Fiscal Year Annual Research Report
船舶曳航体を用いた駿河湾のクロロフィル分布の連続観測
Project/Area Number |
11640434
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡田 喜裕 東海大学, 海洋学部, 助教授 (70224037)
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Keywords | 駿河湾 / 曳航体 / クロロフィル分布 / SeaWiFs画像データベース |
Research Abstract |
今年度は、まず、駿河湾において、本研究に用いるセンサのチェック、曳航体の精度確認をかねて観測を行った。時間的なずれはあるが、CTD観測、採水データと比較してみた。その結果、曳航体観測とCTD観測の1時間の時間的ずれから生じたと思われる小さな変動が見られたが、曳航体による観測値に問題ない(誤差率1.75%)と思われた。クロロフィルに関しては、採水データから測定した濃度と、曳航体の蛍光光度計で得られたデータを比較したが、駿河湾でクロロフィルを観測する場合、今までの設定レンジを幅広く変換して、クロロフィル量への換算式の再検討が必要であることがわかった。今後、小型船舶で曳航体を使用する事になるため、ウインチの電圧変更の改良を行った。テストを兼ねて、2月1日に小型船舶で観測を行い、設定レンジを変換した曳航体、電圧変更をしたウインチともに動作は正常であり、船上でデータをリアルタイムで観測できることが確認できた。少ない結果からではあるが、駿河湾ではよく言われる河川水の影響によるクロロフィルの形成の特徴があらわれ、クロロフィルの最大値もよく言われる2.5μg/lとなった。 次に、並行してSeaWiFsの画像処理手法の確立を目標にして研究を進めた。そこでまず、衛星画像のデータベースの構築を目指し、全部で2年分(97〜98年)の画像を整理して、1135シーンの解析を行い、駿河湾のクロロフィル分布を示す有効な画像データとして、120シーンの画像データベースを構築した。 最後に、シンプルな生態系モデルの作成を試みた。流れなどの物理的現象を含まないモデルであるが、栄養塩の重要性が強調された結果となった。もっともらしい結果が得られたが、現場のデータを加えるには、モデルを作成する事の是非を含めて、さらに慎重な検討と解析が必要であることがわかった。
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