2000 Fiscal Year Annual Research Report
船舶曳航体を用いた駿河湾のクロロフィル分布の連続観測
Project/Area Number |
11640434
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡田 喜裕 東海大学, 海洋学部, 助教授 (70224037)
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Keywords | 駿河湾 / 曳航体 / クロロフィル分布 / SeaWiFs画像 |
Research Abstract |
昨年度は曳航体のテストを行い、その精度について調べた。今年度は、曳航体による駿河湾のクロロフィル-a観測の基礎実験と、従来の船舶停船観測を小船及び大型船によって行った。駿河湾の北緯34゜55′ライン上を東西に横断するように観測した結果、河川水の影響を大きく受けると考えられる西部沿岸の表層付近においてクロロフィル-aは高い濃度を示し、東側で低い濃度となっていることが確認された。表面の濃度だけを見ても、西部において高い濃度を示している。クロロフィル-aの極大出現深度は、ほぼ20m以浅の表層に現れ、河川水の影響によるクロロフィル-a分布を明瞭に確認することができた。また、河川水の影響が顕著に見られる結果が得られた観測日の数日前に、かなりの降水量があったことから、降雨後にクロロフィル-a量の増大が起こることが示唆された。このことから船舶観測によって得られたクロロフィル-a量と、同時期の人工衛星データを比較し、駿河湾における河川水の流入と、降雨後のクロロフィル-aの増加傾向について検討した。 1997年11月〜1999年11月までの3年間における船舶観測データ及び同時期のSeaWiFs衛星画像を用いて検討を行った結果、一般的に言われているようにクロロフィル-aは湾西部沿岸において高い濃度を示し、湾東部において低い濃度を示す傾向である事が確認され、降雨後10日前後にクロロフィル-aの増加が現れていることが確認された。この増加は、やはり河口域付近に大きく見られており、降雨による河川水の流入量の増加が、クロロフィル-aの増加につながったものであると考えられる。
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