1999 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本白亜紀火成岩類の地球化学的広域変化の要因解明と海嶺沈み込みの検証
Project/Area Number |
11640451
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
飯泉 滋 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80032639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 正秀 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20202509)
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Keywords | 西南日本 / 白亜紀 / 第三紀 / 火成活動 / Sr・Nd同位体比 / 酸性岩 / 花崗岩 / 地球化学 |
Research Abstract |
本研究は,西南日本の白亜紀-古第三紀珪長質火成岩類に見られる地球化学的広域変化の要因とこの大規模な火成活動と海嶺沈み込みとの相互関係を明らかにしようとするものである.本年度は西南日本の白亜紀火成岩類のうち,初期に活動した山陽帯中部および西部分布する火山岩・迸入岩類に焦点を絞って地質学的,岩石化学的研究を行ったほか,活動時期のあいまいである山陰帯東部の火成岩類についての岩石化学的・年代学的研究も行った.この結果,山陽帯中西部の100Ma-120Maの年代を示す火成岩類は,同一地域におけるそれ以降の火成岩類(90-75Ma)とは岩石化学的,またSrやNd同位体組成に若干の違いがある可能性が出てきた.すなわち,古期のものには,島弧タイプのカルクアルカリ岩のほかに,ソレアイトやそれらよりややSr含量にとみ,Sr同位体組成が低く,Nd同位体組成が高い火成岩類が分布することが明らかとなった.従って山陽帯の白亜紀火成活動は90Ma前後を境に活動の性格が変化した可能性が強いことが判ってきた.12年度も引き続いてこの関係を明確にする予定である.一方,山陰帯北東部の白亜紀火成活動は85Ma前後のものと,70Ma前後の2時期に区分されることが明らかとなった.両時代の火成岩類における岩石化学的,Sr・Nd同位体的性質の違いは今のところ明確でない.従って,火成活動の場は,120-100Maには山陽帯および領家帯で,また90-75Maの活動は領家帯から山陰帯までの幅広い地域で,また7以降の活動は山陰帯のみで行われたことが明らかとなった.
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