1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640452
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
早坂 康隆 広島大学, 理学部, 助手 (10198830)
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Keywords | 活断層 / 基盤地質 / 地震予知 / 西南日本内帯 / 丹波帯 / 舞鶴帯 / 島弧地殻 |
Research Abstract |
1 丹波帯のように広く付加体が露出している地域において,付加体が地下深部まで続いているのか,それとも地下には花崗岩が覆在しているのかという点を明らかにする目的で,花崗岩による低度の接触変成域を確認するために,付加体中の泥質岩の炭質物の結晶度(グラファイト化度)の予備測定を行った.試料は,調査地域において5km四方のメッシュを切り,各グリッドよりサンプル1個を採集した.調査地域は美濃帯中央部の美濃太田地域(28試料),丹波帯中央部の亀岡・園部・綾部地域(83試料),中国帯の岡山県津山-久世地域(36試料)である.これらの試料の内,各地域より5試料づつ,計15試料について測定した結果,炭質物のd002(Å)はほとんどの試料で3.55Å〜3.60Åの範囲にあることが判明した.一方,花崗岩に近接した地域からの試料は3.50Å以下となり,このd 002=3.50Åという値が地下に花崗岩が伏在しているかどうかの目安として使用できることが判明した. 2.現在の活断層系の分布様式は,基盤に古くから存在していた地質断層の再動として現れているものも少なからず存在する.しかしながら,多くの地質断面は活断層におけると同じ精度で調査されたことがない. 本年度は,従来ナップ境界と考えられてきた舞鶴帯北縁の断層に的を絞り,京都府大江町地域と岡山県大原-津山-鏡野-久世地域において現地調査を行った.京都府大江町地域では,幅15mの範囲に幅2〜3mの3本の破砕帯を伴う大規模な高角断層となっており,岡山県下では鏡野町西南部において舞鶴帯がいわゆる三群変成岩の上に低角ナップとして重なっていることが判明した.大江町地域の高角断層の破砕帯は未固結であり,地質時代において幾度かの再動を経験している可能性があり,今後の精査を要する.
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