2001 Fiscal Year Annual Research Report
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11640452
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
早坂 康隆 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10198830)
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Keywords | 活断層 / 基盤地質 / 地震予知 / 西南日本内帯 / 丹波帯 / 朝地変成岩 / 島弧地殻 / 鳥取県西部地震 |
Research Abstract |
1,基盤特性と断層系:付加体地域における花崗岩の覆在を検証する目的で,泥岩中の揮発性元素(B, F, Cl)の蛍光X線分析装置による定量ルーチンの開発研究を行い,岩石研磨片を用いた迅速な測定ルーチンを確立した.検出限界はBで100〜150ppm, FとClで10〜20ppm, Clで10〜20ppmとなった.この手法を用いて丹波帯の泥岩を広域的に測定し,亀岡北方地域など,一部に高い揮発性元素濃度を示す地域の存在を確認した.これらの地域の地下には花崗岩が伏在していると考えられ,近畿地方における活断層の分布が地下における花崗岩の分布に規制されている可能性が高まった. 2,鳥取県西部地震震源域の地殻構造:2000年10月6日の鳥取県西部地震の震源域近く(鳥取県日野郡江府町付近)の基盤地質構造について調査・研究を行った.その結果,この地域に広く飛騨帯および"飛騨外縁帯"相当地帯が分布していることが明らかになった.また,飛騨外縁帯相当の「江尾構造帯」の岩石が岐阜県高山市北方の"飛騨外縁帯"である上広瀬層と類似した岩相構成からなることが判明した. 3,九州の地体構造:大分県大分郡野津原町付近に分布する朝地変成岩の基盤地質構造の調査・研究を行った.その結果,朝地変成岩の変成作用は,本質的には荷尾杵花崗岩による接触変成作用でありながら,本来の最高変成度に期待される変成度の部分が失われていることが判明した.荷尾杵花崗岩に見られる変形構造と,朝地変成岩の高温型変成作用の特徴および岩相構成から,朝地変成岩地域は,岩国地域柳井領家帯の新期領家花崗岩の貫入する地帯に対比される事が示唆される.
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[Publications] Okudaira, T.: "Cooling and inferred exhumation history of the Ryoke metamorphic belt in the Yanai district, south-west Japan : Constraints from Rb-Sr and fission-track ages of gneissose granitoid an numerical modeling"The Island Arc. 10. 98-115 (2001)
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[Publications] 早坂康隆: "ナップ境界の現象論-西南日本内帯を例に-"月刊地球特別号. (印刷中). (2002)