1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640456
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三田村 宗樹 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (00183632)
|
Keywords | 大阪平野 / 第四系 / 層序 / 更新統 / ボーリング / 火山灰分析 |
Research Abstract |
大阪平野の地下に埋没して存在する上部更新統は,最終間氷期に堆積した内湾性の海成粘土層とその上位の砂・礫からなる粗粒層から主として構成されている.これらのうち,天満層と呼ばれとよばれてきた粗粒層について,既存のボーリング試料を使って,火山灰分析を主要な分析法としてその検討を行った.2年計画の1年目にあたり,本年度は,大阪平野内の天満層の再検討に適切な箇所2〜3箇所地域で建設関連基礎調査のボーリング試料を譲り受け,それらの試料の岩相的特徴(粒度,色調,構成堆積物の組成(特に礫種組成))と含まれる火山ガラスの分析から,広域火山灰層との対比や降灰層準の検討をおこなった.その結果,大阪平野西大阪地域の南部で行われたボーリング(地質調査所北津守ボーリング)の試料では,その岩相が,礫・砂・シルトの互層を主体とする地層で,大阪平野のOD-1地点の礫層主体の地層とは,大きく異なることが判明した.火山灰分析を現在行いつつあり,姶良Tn火山灰の火山ガラスをはじめとする広域火山灰の確認ができるものとみられる.これによって,より明確にそれらのそう順の認定が可能となる見込みである. また,既存のボーリング資料をもとに,大阪平野の上部更新統層準の粗粒層の岩相分布を検討した結果,西大阪地域の大正区付近で,南部の礫・砂・シルト互層の岩相から,淀川沿いに発達する礫層主体の岩相へ変化することが判明した.この付近では,南部の岩相から構成される地層が,埋没段丘を形成していて,その段丘崖にアバットするように淀川沿いの礫質相が分布するものとみられる.本研究計画2年次にあたる平成12年度には,この礫質相の採取を行うボーリングを実施し,それらの分析を行う予定である. 一方,比較資料として,関東・濃尾平野地下の同様の層準の資料を入手することができた.これらを合わせて,次年度にその比較を行う予定である.
|
Research Products
(1 results)