1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640463
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西田 民雄 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80039198)
|
Keywords | 秋吉石灰岩 / 石炭紀 / 海水準変動 / パレオカルスト / 生物礁 / アンモノイド / フズリナ / 氷河作用 |
Research Abstract |
研究の基礎となる野外調査を山口県美禰市の宇部興産(株)伊佐セメント工場内にて延べ31日間行ない,定方位の石灰岩試料計270個を採集した. 野外調査では,海水準低下期に形成された古洞窟と洞内堆積物,溶食・浸食面などの空間的広がりと,海水準上昇期に形成された溶食・浸食面上の有孔虫(フズリナ)砂の空間的広がりなどを把握した. 室内作業として,定方位の石灰岩試料の切断・研磨を行ない,石灰岩堆積時の走向・傾斜を決定し,調査地域の地質構造を明らかにした.さらに石灰岩試料中のフズリナ化石種を薄片下で識別し,フズリネラ・イトイ,ビーダイナ・アキヨシエンシス,シュードフズリネラ・ヒデンシス,プロトリチサイテス・モンチパルス帯などに下位から上位に年代区分を行なうとともに,いくつかの地点からはアンモノイド化石を剖出して,これまでのところ12種を識別した.これらアンモノイド化石種の組み合わせからは,その層位が北米内陸地域のアトカ,デモイン,ミズリー階の特定の層位に対比されることが判明した. これまでのところ北米内陸地域のデモイン・ミズリー階境界に相当する層位にもっとも大きな海水準低下期があり,約50mであることが求められた.彼の地域における知見ともよい一致と見做し得る. それよりも前後の海水準変動の解析を今後調査地域を拡大して,進めていく予定である.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 高くわ祐司: "マヤシフゾウElaphurus mayaiの頭部の復元"群馬県立自然史博物館研究報告. 第3号. 77-80 (1999)
-
[Publications] 西田民雄: "西南日本中・古生代石灰岩中の化石"大分地質学会誌特別号. 第5集. 11-13 (1999)
-
[Publications] 藤井厚志: "大分県稲積・風運・小半鍾乳洞とその水文学的位置付け"大分地質学会誌特別号. 第5集. 49-68 (1999)
-
[Publications] Tatsuro MATSUMOTO: "The tuwilitid ammonoid Mariella from Hokkaido"Paleontological Research. 3巻・2号. 106-120 (1999)