2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640477
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平島 崇男 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90181156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WALLIS Simon 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30263065)
小畑 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20126486)
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Keywords | Schreinemakers'の束 / petrogenetic grid / コンピュータープログラム / 超高圧変成岩 |
Research Abstract |
平成11年度の研究で開発したSchreinemakers'の束の原理に従った岩石成因論的グリッド作製ソフトウエアー(吉田・平島、1999)と、造岩鉱物の安定性を考察するための熱力学的ソフトウエアーを併用して、中国とイタリアの超高圧変成岩の変成履歴を精密に推定する作業を行った。 中国関係の超高圧変成岩研究では、超高圧変成岩の上昇パスを特定する作業に重点を置いた。その結果、中国山東半島の東北部で採集した多くの超高圧変成岩は、マントル深度(100km)から下部地殻(30-40km)まで、断熱的に上昇していたことが判った。これの成果の一部はNakamura & Hirajima(2000),Banno et al.(2000)として公表した。 このような上昇パスが、中国山東半島全域で支配的であるか否かを確認するために、半島中央部から採集した超高圧変成岩についてもその上昇パスを、造岩鉱物の精密組織解析から検討した。この作業には平成11年度に購入したマクロサイズの岩石組織観察装置が威力を発揮した。その結果、半島中央部で採取したザクロ石ペリドタイトから超高圧時に出来た鉱物組み合わせと地殻下部付近まで上昇した時に出来た鉱物組み合わせを読み取ることに成功した。これらの鉱物組み合わせに、温度圧力計や岩石成因論的グリッドを適用した結果、山東半島中央部の超高圧変成岩も断熱的に上昇したことが判った。その成果の一部は2000年6月東京で開催されたWestern Pacific Geophysical Meetingで口頭発表した。 イタリアの超高圧変成岩の研究では、超高圧変成岩が沈み込んでゆくパスを岩石成因論的グリッドを用いて、より精密に制限することが出来た。この成果はCompagnoni & HirajimaとしてLithos誌に印刷中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakamura,D.,and Hirajima,T.,: "Granulite-facies overprint on UHP rocks in the northeastern part of the Su-Lu region, eastern China."Jour.Petrol. 41. 563-582 (2000)
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[Publications] Izadyar,J.,Hirajima,T.,and Nakamura,D.,: "Talc-phengite-albite assemblage in piemontite quartz schist of the Sanbagawa metamorphic belt in central Shikoku, Japan."The Island Arc,9,145-158.. 9. 145-158. (2000)
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[Publications] Banno,S.,Enami,M.,Hirajima,T.,and others: "Decompression P-T path of coesite eclogite to granulite from Weihai, eastern China."Lithos. 52. 97-108 (2000)
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[Publications] Matsumoto N.and Hirajima T.,: "Garnet in pelitic schists from a quartz eclogite unit of the southern Dora-Maira massif,western Alps."Schweierische Mineralogische und Petrographische Mitteilungen.. 80. 53-62 (2000)
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[Publications] Hirajima,T.,Nakamura,D.,and Shirahata,K.,: "Winchite from Mt.Hiei contact aureole, Kyoto, Japan"Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. 95. 107-112 (2000)