1999 Fiscal Year Annual Research Report
グラニュライト相変成岩鉱物の高温高圧力下における相平衡と熱力学的性質
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11640481
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
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Keywords | ザクロ石 / Fe-Mg分配 / 斜方輝石+サフィリン+石英 / 斜方輝石+スピネル+石英 / 珪線石 / ザクロ石の相関係 / グラニュライト / 中間領域 |
Research Abstract |
平成11年度は以下の事を明らかにした. 1.ザクロ石の離溶ラメラを包含した斜方輝石に富むグラニュライト(東南極エンダビーランド,マッキンタイヤー島産)の相関系を9kbarから20kbarの圧力条件で900℃から1300℃の温度条件で調べた.ザクロ石が出現する温度圧力領域を決定し,斜方輝石とザクロ石間のFe-Mgの分配係数をこの温度圧力範囲で決定した.これらの実験結果と,グラニュライトの斜方輝石とザクロ石の化学組成,およびこのグラニュライトが珪線石を含んでいる事とから,このグラニュライトは870℃から940℃の温度条件で10.4kbarから12.6kbarの圧力条件で変成作用を受けたと推定できた. 2.総化学組成がパイロープザクロ石(Mg_3Al_2Si_3O_<12>)の組成を持つ系について,7kbarから30kbarまでの圧力範囲で1000℃から1500℃の温度範囲で相関系を調べた.従来,パイロープザクロ石は低圧でアルミナス・エンスタタイト+サフィリン+珪線石に分解するとされてきたが,今回の実験では珪線石が出現せず,パイロープザクロ石は高温側で直接的にアルミナス・エンスタタイト+サフィリン+石英に分解し,低温側ではアルミナス・エンスタタイト+スピネル+石英に分解する事が分かった.また,これら2つの領域の境界は負の傾きを持つことが分かった. 3.Mgに富むザクロ石(Mg_<0.75>Fe_<0.25>)_3Al_2Si_3O_<12>について相関係を13kbarから19kbarの圧力条件で900℃から1300℃の温度条件で調べた.Feを少量含んだザクロ石は直接的にその低圧相に分解するのではなく,ザクロ石+斜方輝石+サフィリン+石英の中間領域を持つことが分かった.
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Research Products
(1 results)