1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640487
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 敬介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40131619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 智樹 九州大学, 理学部, 助手 (20260721)
三浦 弥生 東京大学, 地震研究所, 助手 (90282730)
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Keywords | 希ガス / 隕石中のハロゲン元素 / 隕石 / レーザープローブ / コンドルール |
Research Abstract |
本研究では、隕石中の希ガス同位体組成をレーザー・プローブ脱ガス法を用いて測定することにより、ハロゲン含有量が高い隕石やAllende隕石のコンドルールやCAI中のハロゲン元素の分布を調べる。この特色は、分析困難な微量ハロゲンの隕石中における分布を、宇宙空間における天然の中性子照射による核反応^<35>Cl(n,β)^<36>Ar,^<79>Br(n,β)^<80>Kr,^<127>I(n,β)^<128>Xeなどとレーザ・プローブによる超高感度希ガス局所分析を適用することにより解明することである。 二年計画の初年度は、以下のような研究を行った。1)Y-74191の薄片(厚さ約300ミクロン)を切り出して表面の組成を顕微鏡観察した後、パルスYAGレーザー(プローブ径は約50ミクロン)を用いた希ガス抽出と希ガス同位体組成の測定を行なった。分析ポイント数はまだ十分でないが、マトリックスに比べてコンドルール内部の^<80>kr,^<129>Xe,含有量と同位体比^<80>Kr/^<84>Kr,^<129>Xe/^<132>Xeがともに高いのに対して、捕獲成分である^<84>Kr,^<132>Xe含有量に顕著な違いは見られなかった。この結果は、コンドルールが星雲中で変成を受けてハロゲンを獲得した可能性を示している。今後、コンドルール内部のハロゲン分布を測定することにより、変成のメカニズムを明らかにする。2)上で用いたパルスレーザーでは、加熱のための出力を精密にコントロールする事が困難であったため、既存の連続YAGレーザーにQスイッチを用いたパワーコントロールを増設した。これにより、従来より精度の高い加熱脱ガスが可能となった。
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