1999 Fiscal Year Annual Research Report
収量検出磁気共鳴法によるラジカル対スピンダイナミクスの研究
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11640522
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
坂口 善生 理化学研究所, 分子光化学研究室, 副主任研究員 (30167423)
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Keywords | 収量検出磁気共鳴 / 光学検出磁気共鳴 / ラジカル対 / 反応ダイナミクス / スピンダイナミクス / 屈折率 |
Research Abstract |
本研究は、ラジカル対のナノ秒オーダーの反応ダイナミクスを、マイクロ波パルスを利用することにより、時間分解測定には適さない、時間分解能の低い検出器しかない物理量、例えば、屈折率、旋光度などの測定から行おうとするものである。これによって、従来過渡吸収などが得られなかった系に対しても、その反応ダイナミクスを測定できるようになることが目標である。その第一として屈折率測定を試みる。しかし、追加採択であったため、備品費で購入する液体クロマトグラフ用屈折率検出器がまだ納品されて居らず、測定は開始していない。我々はこれまで過渡吸収を用いた、光学検出磁気共鳴法により測定を行ってきた。この場合、測定プローブはマイクロ波共振器内にあり、現象と観測に時間遅延はない。しかし、液体クロマトグラフ用検出器は共振器から反応後の試料が流れてきて初めて測定される。このため、時間遅延を含むばかりでなく、共振器から検出器の間の体積で試料の混合が起こりデータがなまる危険性がある。このため、収量検出用にデッドボリュームの小さな反応容器を設計し、試用し、改良点を明らかにした。管が細くなったため、液体を流すのに圧力が必要になったが、現在のもので、10秒以下の広がりですむようになった。これは、掃引時間を10分以上にすればほぼ測定の目的にかなう状態である。改良型のもので、より高圧での流通をおこない、広がりをさらに狭めて測定にかかりたいと考えている。
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