1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640529
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山口 晴司 富山大学, 理学部, 助教授 (10018989)
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Keywords | ピラノナフトキノン / 2H-クロメン / ナフトキノン |
Research Abstract |
光学活性ピラノナフトキノン三量体であるConocurvoneを、2位にC6側鎖を有する単一のナフト[2,1-b]ピラン体から形成されるヒドロキシキノン体2分子とキノン体1分子から効果的に合成することを目的に研究を行った。 まず、サリチルアルデヒドとイソプロピリデンマロン酸エステルから1段階で2-メチル-2H-クロメン-2-酢酸エステルを合成し、その酵素PLEによる効果的な不斉加水分解に成功し、得られるカルボン酸体がR、残ったエステル体がSの絶対配置をもつことが明らかにできた。さらに、光学活性なエステル体からエステル部のConocurvoneのC6への変換を行い、ラセミ化を起こすことなく、C6側鎖の形成が可能であることを確認した。ラセミ体のクロメンエステル体に6位に側鎖導入を行いブタン酸体とし分子内アシル化したが、主生成物は望むましくない7位への閉環体であるナフト[2,3-b]ピラン体であった。今後、7位へ保護基を導入して同様の反応を行い、閉環後保護基の除去を行う方法に取り組む。 また、7-ヒドロキシテトラロンのジメチルプロパギル化を経る環化は望まれるジメチルナフト[2,1-b]ピラン体を主として与え、アルカリ性下で、酸素酸化により効果的にヒドロキシキノン体を与えることを見い出した。今後、光学活性プロパギル体での環化およびキノン体への変換についても検討する。
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