2000 Fiscal Year Annual Research Report
大環状トレーガー塩基由来の新規C2対称ニ座配位子の合成と不斉合成への応用
Project/Area Number |
11640539
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮原 雄治 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (40037263)
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Keywords | トレーガー塩基 / 光学活性ジアミン / ジアミン配位子 / 光学分割 |
Research Abstract |
トレーガー塩基を持つシクロファンの不斉反応への応用の為には大量の光学分割した試料がが必要となるので時間のかかる光学活性カラムによる高性能液体クロマトグラフィーによらない化学的方法を模索したがこれまで適当な試薬、条件は見い出せなかった。そこで溶媒の検討、フラクションコレクター装着による装置の部分自動化により効率化をはかることで時間はかなりかかったが300mg程度ずつ左右両光学活性体を分離することに成功した。実際の不斉反応は期間中には試みるまでには至らなかったがどの反応に応用するかは候補を2つに絞り込んで現在条件の検討を進めている。 トレーガー塩基を持つシクロファンから誘導されるジアミンの基本骨格であるジアゾシンと類似し同様に近接した2個の窒素原子を持つビスピジンが光学活性ではないが錯体形成や塩基性などの性質の検討のためには非常に有用な情報を提供すると考えられたのでジフェニルビスピジン2個を2個のエチレン鎖で繋いだ新しい大員環テトラミンの合成を行い強い塩基性とリチウムイオンとの特異的相互作用を明らかにすることができた。さらにフェニル置換基のない母体の合成のためは原料となる母体のビスピジンが従来の合成法で困難であったため新しい改良合成法を開発し、その結果ジフェニル置換体では溶解度などのため現れなかった強い立体障害のあるテトラミンとしての特異な性質が明らかになり、昨年トレーガー塩基を持つシクロファンから誘導されるジアミンについても同様な大環状テトラミンの前駆体であるジアミドの合成には成功しているので光学活性にした時の新しい性質発現が今後大いに期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Miyahara,K.Izumi,A.A.Ibrahim,T.Inazu: "Novel C2 Chiral Diamine Ligands Derived from Cyclic Troger Bases"Tetrahedron Letters. 40・9. 1705-1708 (1999)
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[Publications] Y.Miyahara,K.Goto,T.Inazu: "Synthesis and Properties of a Novel Tetraazamacrocycle Containing Two Bispidine Units"Chemictry Letters. 6. 620-621 (2000)
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[Publications] Y.Miyahara,K.Goto,T.Inazu: "Convenient Synthesis of 5,7-Diazabicyclo [3.3.1] nonane (Bispidine)"Synthesis. (印刷中). (2001)
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[Publications] Y.Miyahara,K.Goto,T.Inazu: "A Novel Hindered Macrocyclic Tetramine Containing Two Bispidine Units. A New Type of Proton Sponge"Tetrahedron Letters. 42(印刷中). (2001)