2001 Fiscal Year Annual Research Report
スルホキシドのリガンド交換反応を基軸とする新しい有機合成反応の開発
Project/Area Number |
11640545
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Research Institution | Science Uhiversity of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 毅 東京理科大学, 理学部, 教授 (20089329)
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Keywords | カルバニオン / カルベノイド / マグネシウムカルベノイド / スルホキシド / シクロペンテノン / スルホキシド-マグネシウム交換反応 / アレン / カルボン酸 |
Research Abstract |
炭素の陰イオン(カルバニオン)ならびにカルベノイドは有機合成上極めて重要な反応活性種であり、これを効率良く生成させる新方法の開発は有機化学を基盤とする科学の発展に大きく寄与する。本課題研究による研究は申請者らが見い出したスルホキシドのリガンド交換反応を基軸とする方法によりカルバニオンならびにカルベノイド(特にマグネシウムカルベノイド)を生成させ様々な新しい合成法を開発しようとする物である。当該期間中に得られた新しい成果を以下に列挙する。 1、スルフィニルアジリジンにグリニヤール試薬を反応させると効率良くアジリジニルマグネシウムが生成することを見い出した。この物とアルキルハライドとのクロスカップリングを経由して様々な4級不斉炭素を有するアミノ酸類の不斉合成へと展開中である。 2、α-クロロビニルスルホキシドにアセトニトリルのリチウムカルバニオンを反応させると5員環状エナミノニトリルが高収率で得られた。これより4、4ジ-置換シクロペンテノン骨格を有する天然物の不斉全合成を検討している。 3、α-クロロビニルスルホキシドに酢酸エステル類のリチウムエノレートを反応させると収率良く付加することを見い出した。これより様々な多官能性カルボン酸類の新しい合成法を開発した。 4、α-クロロシクロプロピルスルホキシドのグリニヤール試薬とのリガンド交換反応によりマグネシウムシクロプロピルカルベノイドが収率良く生成することを見い出した。これよりアレン類並びにアルキリデンシクロプロパン類の新しい合成法を確立する事ができた。 5、α-クロロビニルスルホキシドからマグネシウムアルキリデンカルベノイドを生成させる方法を見い出し、これを使ってアレン類を合成する新しい方法を開発出来た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Satoh: "Aryl 1-chloroalkyl sulfoxides as acyl anion equivalent:a new synthesis of vinyl……"Tetrahedron. 57. 493-500 (2001)
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[Publications] T.Satoh: "Cross-coupling of nonsabilized aziridinyl-magnesiums with alkylhalides catalyzed……"Tetrahedron. 57. 3891-3898 (2001)
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[Publications] T.Satoh: "Magnesium cyclopropylidenes generated from 1-chlorocyclopropyl phenyl sulfoxides with……"Tetrahedron. 57. 5369-5375 (2001)
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[Publications] T.Satoh: "A new synthesis of β,γ-alkenyl carboxylic acids from α,β-alkenyl carboxylic carboxylic acid chlorides……"Tetrahedron. 57. 9689-9696 (2001)
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[Publications] T.Satoh: "Asymmetric synthesis of 4,4-disubstituted 2-cyclopentenones from optically active……"Tetrahedron Letters. 42. 9241-9244 (2001)
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[Publications] T.Satoh: "A novel synthesis of allenes by alkenylation of magnesium alkylidene carbenoids……"Tetrahedron Letters. 43(in press). (2002)