2000 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム-銅錯体触媒を用いるsp^2炭素交差カップリング反応
Project/Area Number |
11640549
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
薗頭 健吉 福井工業大学, 工学部, 教授 (30029847)
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Keywords | 錯体触媒 / Pd-Cu触媒 / クロスカップリング / 末端アセチレン / sp^2炭素ハライド |
Research Abstract |
パラジウム-銅錯体触媒を用いる末端アセチレンと芳香族ハロゲンおよびハロゲン化ビニル誘導体との交差カップリング反応は、Sonogashira反応と呼ばれ、芳香族アセチレンおよびエンイン誘導体の便利な合成法として広く用いられている。本研究の目的はこのように広範に利用されるようになったパラジウム-銅錯体を用いるSP炭素・SP^2炭素の交差カップリング反応の機構や反応条件を系統的に研究し、反応性の異なるカップリング基質の組み合わせに応じた最適条件を確立することである。昨年度は、70℃の加熱を必要とし、また、副反応でフェニルアセチレンが消費されるプロモベンゼンとフェニルアセチレンとの組み合わせについての最適化を研究した結果、PhC≡CH(1.5等量)C_6H_5Br1等量Bu_4NI10mol%Pd(OAc)_24mol%CuI4molDMF/nBuNH2=20/1 70℃4hが実用可能であることが明らかにした。その後、Buchwaldら{T.Hundettmark,A.F.Littke,S.L.Buchwald,Org.Lett.,2,1729(2000)}によって、トリス3級ブチルホスフィン(^tBu_3P)を用い(PhCN)_2PdCl_2(0.03mmol),CuI(0.02mmol),ジオキサン1ml中、高濃度で反応させると不均一系ではあるが室温で反応が完結する触媒が開発されたので、不安定で取り扱いの難しい^tBu_3P代わる触媒として、空気中で安定かつ取り扱いの容易な種々の^tBu_3P系Pd錯体を合成し、室温での触媒活性を調べた結果(^tBu_3P)_2PdCl_2および(Bu_2PC_5H_4)_2Fe}PdCl2が、室温で進行する触媒として充分な活性を持つことがわかった。最終年度は、触媒寿命の改良および塩化アリールに活性な触媒の開発について検討する。
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