1999 Fiscal Year Annual Research Report
含窒素複素環状化合物の固体酸触媒による立体制御合成と光化学反応の研究
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11640550
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥村 保明 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (20021933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 誠志 静岡理工科大学, 理工学部, 助手 (40291760)
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Keywords | 固体酸触媒 / Pictet-Spengler反応 / Hexaahydroindolizinoindole / ゼオライト(MCM-41) |
Research Abstract |
トリプトファンメチルエステル(1)と2-オキソグルタル酸ジメチル(2)とのPictet-Spengler反応を経由して,2.3.5.6.11.11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8.7.-b]インドール5,11b-ジカルボン酸ジメチルエステル(3)が生成する反応において,11b-位の立体異性体の生成を固体酸触媒を用いることにより制御できるかどうかを検討するため,オクタデシルなど長鎖のアルキルトリメチルアンモニウム塩をテンプレートとして細孔径の大きなMCM-41系のゼオライトを合成して物理的方法により構造的特性を確認し,これとともにアルミナ,シリカゲルなど固体酸触媒,可溶性のプロトン酸触媒,ルイス酸触媒を用いて(1)と(2)の反応の予備的な検討を行った。1)ベンゼン中の反応には比較のためプロトン酸としてp-TsOHを用い,溶媒可溶なルイス酸としてAI(O-iPr)_3を用いた。固体酸触媒としてはアルミナ,ゼオライト(MCM-41),モルデナイト(H型),アエロジル200(シリカゲル)を用い,溶媒としてベンゼンを用い生成する水をDean-Starkトラップを用いて共沸除去あるいはモレキュラーシーブにより除去した。2)触媒と反応溶液とをろ別し,反応溶液と触媒の洗浄液とを別々に減圧濃縮し,濃縮物について薄層クロマト,カラムクロマトによる分離・精製およびNMRスペクトルによる画分の構造確認により生成物の検討を行い,また高速液体クロマトによっても触媒の種類による生成物パターンの差異の有無の検討を行った。酢酸エチル:アセトン=9:1で展開したTLCでは,MCM-41以外ではジカルボン酸エステル(3)の両方の11b-位の立体異性体の生成が認められたが,MCM-41ではジカルボン酸エステル(3)の11bβ-体だけが生成することが認められた。MCM-41を用いた反応では,(1)と(2)から(3)への中間体でPictet-Spengler反応の生成物でるラクタム閉環前のテトラヒドロ-β-カルボリン誘導体(4)の生成が確認された。
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