1999 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ銅オキシダーゼの三核銅クラスターにおける酸素の4電子還元反応
Project/Area Number |
11640558
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
櫻井 武 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90116038)
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Keywords | マルチ銅オキシダーゼ / ラッカーゼ / アスコルビン酸オキシダーゼ / ビリルビンオキシダーゼ / 三核銅クラスター / 酸素還元 / ヒドロキシルラジカル / パーオキサイド |
Research Abstract |
マルチ銅オキシダーゼである漆ラッカーゼ、ズッキーニアスコルビン酸オキシダーゼ、Myrothecium verrucariaビリルビンオキシダーゼの反応機構を明らかにするために、反応中心である三核銅クラスターの精密構造およびその性質と酸素の還元機構について、分光学的、磁気的および速度論的検討を加えた。まず、天然型酸素および外来性阻害剤を作用させた系について、極低温から室温に至るまでの広範囲においてESRおよびSQUID測定を行い、反応中心に存在する3つの銅の磁気的相互作用に関する詳細な情報を得た。ビリルビオキシダーゼについては、銅結合部位に部位特異的変異導入を行い、各金属結合部位に対して、配位グループがどのような役割を担っているかを明らかにした。次いで、還元型ラッカーゼと酸素の反応過程について検討し、酸素の3電子還元体を捕捉することに成功した。そして、この中間体のキャラクタリゼーションを行い、ヒドロキシルラジカルであることを明らかにした。また、このヒドロキシルラジカルは、三核クラスターと3スピン系を形成していることを明らかにした。さらに、この中間体の消失過程を動力学的に検討するとともに、生成過程の速度論的検討も行った。現在は、この中間体に先行して生成するはずの酸素の2電子還元体の捕捉に成功したところであり、そのキャラクタリゼーションを行っているところである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 清水厚志: "Site-Directed Mutagenesis of a Possible Type I Copper Ligand of Bilirubin Oxidase in Met4676/n Mutant Shows Stellacyanin-Like Properties"Journal of Biochemistry. 125・2. 662-668 (1999)
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[Publications] 清水厚志: "Myrothecium Verrucaria Bilirubin Oxidase and its Mutant S for Potential Copper Ligands"Biochemistry. 38・10. 3034-3042 (1999)
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[Publications] Hong-wei Huang: "EPR and Magnetic Susceptibility Studies of the Trinuclear Copper Center in Native and Azide-Reacted Zucchini Ascorbate oxidase"Journal of Inorganic Biochemistry. 75・1. 19-25 (1999)
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[Publications] Hong-wei Huang: "Spectroscopic and Kinetic Studies on the Oxygen-Centered Radical Formud during the Form-Electon Reduction Process of Dioxygen by ***"Journal of Biological Chemistry. 274・46. 32718-32724 (1999)