2000 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ銅オキシダーゼの三核銅クラスターにおける酸素の4電子還元反応
Project/Area Number |
11640558
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
櫻井 武 金沢大学, 理学部, 教授 (90116038)
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Keywords | マルチ銅オキシダーゼ / ラッカーゼ / ビリルビンオキシダーゼ / 三核銅クラスター / 酸素還元 / ヒドロキシルラジカル / ストップトフロー / ESR |
Research Abstract |
ウルシラッカーゼからタイプ2銅を選択的に除去して、酸素に対する反応性を失ったタイプ2銅除去体を作成した。このイプ2銅除去体に対して、嫌気下において、化学量論的な量の塩化第一銅を作用させて、約6時間インキュベートさせた。このようにして、タイプ1銅が2価であり、タイプ2、3銅が1価である混合原子価ラッカーゼを作成した。この新しい混合原子価ラッカーゼは天然型酵素と同様に、酸素に対して極めて反応性に富んでいた。しかしながら、1電子欠損状態にあるため、酵素はターンーバーすることがなく、通常の酵素反応中では捕捉することの出来ない酸素の2電子還元種を与えた。この中間体は時間オーダーの寿命を持っていた。各種スペクトルを用いたキャラクタリゼーションやこの中間体の分解過程の動力学的検討から、中間体の構造を提唱するに至った。前年、捕捉することに成功した酸素の3電子還元体および、今年度行った3電子還元体の生成に対するストップトフロー研究の結果を総合して、ラッカーゼによる酸素の4電子還元過程を明らかにすることが出来た。現在、すでに研究成果は一部論文になっているたが、残りは投稿中であり、前年度の結果とあわせると、ラッカーゼによる反応過程の主要部分がほぼ解明できたことになる。一方、ビリルビンオキシダーゼについても、同様の3電子還元体を捕捉することに成功し、マルチ銅オキシダーゼによる反応過程には共通性があるものと確信しているが、2電子還元体の作成には現在のところ成功していない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 塚原敬一: "Intramdemlar Electron-Transfer Reaction with a Diprotein Complex of Cytochrome c with Forrylmyoglobin Modified with Diethylenetriaminepentaacetic Acid"Journal of Biological Inorganic Chemistry. 5・5. 765-773 (2000)
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[Publications] giorgio,Zoppellaro: "Kinetic Studies on the Reaction of the Fully Reduced Laccase with Pioxygen"Inorganic Reaction Mechanisms. 2. 79-84 (2000)
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[Publications] 塚原敬一: "Kinetics and Mechanism of Photoinduced Electron-Transfer Reaction between cytochrome c and Zine Myoglohin"Inorganic Reaction Mechanism. 2. 49-56 (2000)
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[Publications] 汲田秀行: "Stereoselective Electron-Transfer Reactions of the Optically Active Ruthenium (III) complexes with Hydrophobic Side-chains with Azurin"Inorganic Chemistry Communications. 3・4. 185-187 (2000)
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[Publications] 瀬恒潤一郎: "A Triangular Mixed-Valent Cu^<II>Cu^ICu^I cluster Supported by the tripod Ligand 2-Quinolyl-2,2'-dipyrrolylmethane"Angewandte Chemie.Int.Ed.. 39・6. 1115-1117 (2000)