1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640561
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大森 巍 静岡大学, 理学部, 教授 (80004349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢永 誠人 静岡大学, 理学部, 助手 (10246449)
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Keywords | レニウム / 配位子置換反応 / 塩基加水分解反応機構 / ホスフィン錯体 / マルチトレーサー法 / 亜鉛欠乏マウス / 取り込み率 |
Research Abstract |
1.オキソジクロロ(エトキシ)ビス(トリフェニルホスフィン)レニウム(V)[ReOCl_2(OEt)(PPh_3)_2]の塩基加水分解反応機構 オキソジクロロ(エトキシ)ビス(トリフェニルホスフィン)レニウム(V)はレニウム(V)錯体の合成の出発物質として利用されており,レニウム錯体の中では比較的置換活性に分類される錯体である。したがってその塩基加水分解反応機構の解明は,レニウム錯体の置換活性度を考察する上で非常に重要である。塩基加水分解反応は,[ReOCl_2(OEt)(PPh_3)_2]を溶かしたクロロホルム溶液を所定濃度の水酸化ナトリウム水溶液と振り混ぜることによって,錯体を塩基加水分解させた。その様子を有機相の紫外部における吸光度測定により追及した。錯体の吸収極大である273nmの吸収は時間と共に減少し,代わりに262nmの吸光度が増加した。吸光度の変化を解析することにより、[ReOCl_2(OEt)(PPh_3)_2]の塩基加水分解反応速度Rは,R=k[OH^-][ReOCl_2(OEt)(PPh_3)_2]のように表され,25℃においてk=1.03×10^<-4>M^<-1>s^<-1>と求められた。 2.マルチトレーサー法による亜鉛欠乏マウス体内における無担体レニウムの挙動 マルチトレーサー法は,微量元素の体内における挙動を調べるのに優れた方法である。亜鉛欠乏マウス体内における無担体レニウムの挙動を同時に生成するマルチトレーサーの挙動と共に調べるために,先ず放射性レニウムの生成条件およびマルチトレーサー溶液の調製方法について検討した。また予備検討として,8週齢の雄マウスを3週間亜鉛欠乏状態にした後,マルチトレーサー生理食塩水溶液を腹腔内へ投与し,腎臓、肝臓などの臓器および組織へのマルチトレーサーの取り込み率を,対照マウスのそれと比較した。
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