2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規機能性ナノスペースの開発と分子シミュレーション併用ナノカロリメトリー解析
Project/Area Number |
11640574
|
Research Institution | Shunshu University |
Principal Investigator |
鈴木 孝臣 信州大学, 工学部, 助教授 (20196835)
|
Keywords | 吸着 / ナノスペース / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
ナノスペースでは吸着分子と固体表面との物理吸着による相互作用が強調され、強いポテンシャルルエネルギーを有している。このポテンシャルの深さを直接測定するには、吸着熱の測定をすることが有効である。しかし表面と吸着分子との直接の相互作用を測定するためにはサブモノレイヤーでの分子吸着測定が必要である。さらに、そのサブモノレイヤーでの吸着熱測定も必要であり、いずれも非常に高感度の分子吸着量測定、および吸着熱測定が必要である。本研究ではレーザー位置測定装置と高感度石英スプリングを組み合わせることによってサブモノレイヤーでの吸着量測定を可能とした。さらに、ナノカロリメーターと真空系を接続して、やはりサブノモレイヤーでの吸着熱測定を実現した。 分子吸着に伴う熱発生が直接分子-固体表面間のポテンシャルを反映している。しかし吸着分子の吸着相における熱振動エネルギーを実験的に測定することは困難である。そこで本研究では分子シミュレーションを導入し、吸着分子の固体表面での運動エネルギーを考慮に入れて計算を行った。室温である303K付近において分子は表面のポテンシャルの底部より、単純に室温に相当するエネルギーの分だけ励起した順位にとどまるだけでなく、吸着分子の相互作用によって、より安定な位置を占めることが理解された。吸着熱測定の実験だけからは推定することのできない表面での振動エネルギーをシミュレーションによって見積もることにより、分子篩効果や特定の分子の貯蔵に関するナノスペースの設計に応用できることが理解された。
|
-
[Publications] T.Suzuki,T.Iiyama,K.E.Gubbins,and K.Kanedo: "Quasi-symmetry structure of CCl_4 molecular assemblies in a graphitic nanopore : a grand canonical Monte Carlo simulation;"Langmuir. 15. 5870-5875 (1999)
-
[Publications] T.Ohkubo,T.Iiyama,T.Suzuki,and K.Kaneko: "Confined state of alcohol in carbon micropores as revealed by in situ X-ray"diffraction Studies in Surface Science and Catalysis. 128. 411-419 (2000)
-
[Publications] T.Suzuki,R.Kobori,and K.Kaneko: "Grand canonical Monte Carlo simulation-assisted pore-width determination of molecular sieve carbon by ambient temperature N_2 adsorption"Carbon. 38. 630-633 (2000)
-
[Publications] M.Aoshima,T.Suzuki,and K.Kaneko: "Stabilized cluster formation of supercritical Xe in carbon nanopores;"Studies in Surface Science and Catalysis. 129. 711-720 (2000)
-
[Publications] 立本英機,安部郁夫 編: "活性炭の応用技術-その維持管理と問題点"テクノシステム. 6 (2000)