1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640580
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
増田 芳男 新潟大学, 理学部, 教授 (50018347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 靖彦 新潟大学, 理学部, 助教授 (50200861)
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Keywords | ジーベルツ装置 / 圧力等温線(PCT線) / DV-Xa法 / クラスターモデル |
Research Abstract |
1.水素吸蔵合金中の水素濃度を測定するためのジーベルツ装置を製作した。装置の水素リークレートは4.83X10^<-4>Padm^3s-1であり、装置に要求される精度を十分満たすものであった。 2.本装置を用いて水素吸蔵合金、LaNi_<4.5>Co_<0.5>の10、45、55及び65℃における圧力等温線(PCT線)を測定した。 3.上記PCT線から水素吸蔵に伴うエンタルピー変化(ΔH)及びエントロピー変化(ΔS)をそれぞれ一32.7kJmol(H_2)^<-1>及び-113Jmol(H_2)^<-1>と求めた。 4.平成12年度には他の水素吸蔵合金についてもPCT線を測定して、ΔH及びΔSを求めて比較検討したい。 5.水素吸蔵合金と水素の相互作用を調べる目的で、水素吸蔵合金LaNi_5の電子状態及びα-LaNi_5H_X(x≦0.2)相、β一LaNi_5H_X(x=6)相の電子状態を、分子軌道法の一種であるDV-Xα法によって計算した。 計算はクラスターモデルについて行い以下の結果を得た。 (1)α-LaNi_5H_X(x≦0.2)相では固溶した水素はNi(1)と相互作用することがわかった。 (2)β一LaNi_5H_X(x=6)相についてもH(2)-Ni(1)及びH(2)-Ni(3)間に比較的強い相互作用が認めら、その強さは両者の原子間距離に依存することがわかった。 (3)平成12年度はクラスターの大きさをさらに大きくして合金内の環境に近い状態のクラスターモデルについて計算を試みると同時に、LaNi_<4.5>Co_<0.5>-H系についても同様の計算を行い、熱力学データーとの比較検討を行う。
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