2000 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉アシル化による多目的キラル合成素子への高効率変換と天然物合成への応用
Project/Area Number |
11640598
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
折山 剛 茨城大学, 理学部, 助教授 (90185687)
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Keywords | 触媒的不斉アシル化 / キラル1,2-ジアミン / 塩化ベンゾイル / トリエチルアミン / キラル合成素子 / 速度論的分割 / ラセミ第一級アルコール / ラセミ第二級アルコール |
Research Abstract |
アルコールの非酵素型不斉アシル化によるキラル分子の創製は、その方法論に一般性がある場合には、有用な生理活性物質のキラル合成素子の構築に利用することができる。そこで、モレキュラーシーブス(MS 4A)と、アルコールに対して0.3mol%の(S)-プロリンから誘導されるキラルな1,2-ジアミンと、0.5当量のトリエチルアミンの存在下、トランス-2-ブロモシクロヘキサノールに塩化ベンゾイルを-78℃で反応させて不斉アシル化を行った。その結果、対応する安息香酸エステルが化学収率45%、光学収率96%eeで得られた。得られた生成物を脱臭化水素、加溶媒分解することにより、光学純度を保持したまま(S)-2-シクロヘキセン-1-オールへと誘導するができ、汎用性が高いキラル合成素子へ高選択的かつ簡便に変換することができた。このアルコールの不斉アシル化を利用して、その他いくつかの有用なキラル合成素子の創製に成功した。 次に、この非酵素型触媒的不斉アシル化をラセミ第一級アルコールの速度論的分割に展開した。その結果、不斉点とヒドロキシ基が離れ不斉誘導がより困難と考えられるグリセロール誘導体に対してもわずか0.3mol%の触媒を用いるだけで、エナンチオ選択的に不斉アシル化が進行し、最高s=13で分割することに成功した。現在、他のラセミ第一級アルコールの不斉アシル化による速度論的分割の検討を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Sano,K.Imai,K.Ohashi and T.Oriyawa: "Catalytic Asymmetric Acylation of Racemic Secondary Alcohols with Benzoyl Chloride in the Presence of a chiral Diamine"Chem.Lett. 265-266 (1999)
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[Publications] T.Sano,K.Ohashi,and T.Oriyawa: "Remarkably Fait Acylation of Alcohols with Benzoyl Chloride Pro.noted by TMEDA"Synthesis. 1141-1144 (1999)
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[Publications] 佐野智文,折山剛: "キラルな1,2-ジアミンを用いるアルコール類の触媒的不斉アシル化の開発"有機合成化学協会誌. 57巻. 598-607 (1999)
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[Publications] T.Sano,H.Miyata,and T.Oriyawa: "Highly Eficient Kinetic Resolution of θ-Halohydrins Catalyzed by a chiral 1,2-Diamine."Enantiomer. 5. 119-123 (2000)
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[Publications] T.Oriyawa,T.hosoya and T.Sano: "Catalytic Asymmetrization of cis-2-cyclopentane-1,4 diol : Highly Efficient and Practical Syithesis of (R) -4-Benzoylory-2-cyclopentane-1-cne"Heterocycles. 52. 1065-1069 (2000)