2000 Fiscal Year Annual Research Report
脱カルボニルを伴うカルボン酸の多重アリール化反応の経路解明と合成反応開発
Project/Area Number |
11640599
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
米澤 宣行 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10167033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前山 勝也 東京農工大学, 工学部, 助手 (20311657)
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Keywords | 2-アルコキシ酸 / メトキシ酢酸 / 親電子芳香族置換 / 脱一酸化炭素 / 脱カルボニルアリール化 / 五酸化ニリン / メタンスルホン酸 / トリフルオロメタンスルホン酸 |
Research Abstract |
2-メトキシカルボン酸が五酸化二リンーメタンスルホン酸(P_2O_5-MsOH)中で脱一酸化炭素を伴うアリール化を連続して受ける非Friedel-Craftsアシル化型の親電子芳香族置換反応について,反応の特徴解析,経路解明を目指した検討を行った。昨年度の反応支配要因の解析・解明結果(検討課題(1))を受け,主に,種々の媒介体中でのでの反応の特徴解析から酸性媒介体の性質の影響を調べ,メトキシ酢酸の超強酸中での反応の挙動解析と経路解明を行った。 「検討課題(2)縮合剤反応媒体中のヘテロ元素の役割の解明」では,2-メトキシプロピオン酸に加え,メトキシ酢酸,メトキシフェニル酢酸等と芳香族化合物の反応をP_2O_5ポリリン酸,P_2O_5-MsOH,MsOH,CF_3COOH,ポリリン酸エチルエステル,ポリリン酸チリメチルシリルエステル,さらに,TfOH(CF_3SO_3H)やNafion-Hの超強酸等,種々の酸性媒介体存在下で行い生成物の種類や分布を解析した。その結果,α-アリコキシカルボン酸の脱カルボニルα-多重アリール化反応が酸性媒介体の性質に大きく依存する挙動を示すことが分かった。この中で,特に媒介体依存性のはっきりとしているメトキシ酢酸については媒介体の酸強度や性質と生成物分布について系統的な解明ができた。 「検討課題(3)中間体候補化合物を用いたモデル反応による反応経路・反応機構の解明」では,まず,2-メトキシプロパン酸の反応経路の解明結果を基に(J.Org.Chem.1999),メトキシ酢酸の反応に焦点を絞って検討を行った。その結果,メトキシ酢酸では他のα-メトキシカルボン酸の反応とは異なる経路での反応の進行が示された。酸性度(プロトン供与能力)vs酸無水物形成能の観点からの基質構造や酸性媒体の性質と反応経路の相関の整理を試み,主な生成物に至る反応経路の中間体構造の推定ができた。
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[Publications] Yonezawa,N.;Hino,T.;Matsuda,K.;Matsuki,T,;Narushima,D.;Kobayashi.M.;Ikeda.T.: "Specific and Chemoselective Multi-α-Arylation Reaction of Benzoylformic Acid with/without Decarbonylation in P_2O_5-MsOH and Related Acidic Media"J.Org.Chem.. 65・4. 941-944 (2000)
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[Publications] Yonezawa,N.; Ikezaki,T.; Nakamura,H,; Maeyama,K.: "Successful Synthesis of Wholly Aromatic Polyketones via Nickel-Mediated Aromatic Coupling Polymerization"Macromolecules. 33・22. 8125-8129 (2000)
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[Publications] Hino,T.: Kameda,A.; Yonezawa,N.: "Recent approaches in decarbonylative carbon-carbon bond formation"Recent Res.Devel.Synth.Org.Chem.. 3・. 75-85 (2000)