1999 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖による超分子中の水の運動性及び水素結合特性の磁気共鳴
Project/Area Number |
11640605
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
渡部 徳子 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 真吾 東京水産大学, 水産学部, 助手 (30293096)
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Keywords | 多糖類 / ゲル / 超分子構造 / NMR緩和 / ESR / 拡散計測 / 水 / 水素結合 |
Research Abstract |
1.高分子-水間の動的相互作用を検出する手法の確立 (1)エコー時間(TE)を一定にしたNMR拡散計測パルスシーケンスの開発:T2緩和時間の異なる成分を含む系 において各成分の拡散係数と組成比を正確に評価することが可能となった。 (2)T1、T2緩和時間及び拡散係数の自動計測システムの構築:温度制御のプログラムと自動計測のプログラム を組み合わせて80℃から5℃までの測定を自助的に行うシステムを作った。 (3)交換を伴う系の拡散解析システムの構築:上記(1)のパルスシーケンスにより計測された見かけの拡散係数 を緩和、拡散、交換を含んだブロッホ方程式により解析するプログラムを開発し、その実測値への適応性を評価するためのモデル計算を行った。 (4)プロトン交換を含んだ系のT2緩和の理論を数値解析するプログラムを開発し、その適応性に付き既存の実測データの基づき検討中である(ゲル討論会発表)。 2.ジェランのコイルーへリックス(ゾル)-ゲル転移のカチオン種依存性:1価のカチオンはグルクロン酸を遮蔽することにより、2価カチオンはグルクロン酸と結合することにより転移を促進することを明らかとした(業績1)。これらの転移に伴う糖鎖-水分子間相互作用を糖鎖構造、水分子の運動性、プロトン交換、水素結合の変化として総合的に議論した(業績2)。 3.濃厚プルラン溶液中の水について1.(1)(3)の方法により解析し、水和水と自由水の交換のダイナミックスを検討し学会報告した(高分子討論会、高分子と水討論会)。 4.デキストランによる陽イオン取りこみ:Na^+ ,K^+ 共存下デキストラン中におけるCu2^+ の特異的な挙動をNMRイメージングで捕らえ、デキストランの超分子構造形成に伴うCu2^+ の取り込み機構を論じた(5th Int.Conf.Magn.Reson.Microscopyにて発表)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shingo Matsukawa: "Structural change of polymer chains of gellan monitored by circular dichroism"Prog. Colloid Polym. Sci.. 114. 15-24 (1999)
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[Publications] Shingo Matsukawa: "Hydrogen-bonding behavior of gellan in solution during structural change observed by 1H NMR and circular dichroism methods"Prog. Colloid Polym. Sci.. 114. 92-97 (1999)