2000 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯・暖帯自然生態系のニホンジカ社会システムと資源利用様式の解明(自然生態系長期保全手法の開発のための基礎的研究)
Project/Area Number |
11640634
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土肥 昭夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (80091247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊澤 雅子 琉球大学, 理学部, 助教授 (10192478)
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Keywords | 自然生態系長期保全 / 亜熱帯・温帯照葉樹林 / 社会システム / 繁殖戦略 / 資源利用様式 / 植物被食対抗戦略 / ニホンジカ / ケラマジカ |
Research Abstract |
本課題では暖帯林および亜熱帯林という特徴的な2つの自然生態系に生息し、そこで最適に機能していると考えられるニホンジカ(シカと略)の社会システムを解明し、その結果をもとに自然生態系長期保存の手法の開発を試みることを目的としている。具体的にはそれぞれの代表として、長崎県野崎島と沖縄県慶良間諸島の2つの自然生態系において、シカの社会システムをテレメトリー法と直接観察法によって明らかにするとともに、シカの食性が植生、森林と草本の群落構造に与えている影響を評価する。 2年度である本年度は主として現地調査行い、以下の資料収集を行った。 1.長崎県野崎島 (1)区画法・糞粒法による全島でのシカの生息数推定 (2)シカ生け捕りワナの改良と捕獲・発信機装着・ラジオトラッキング (3)個体識別,直接観察法によってオス・メスの繁殖期の社会関係と交尾戦略 (4)直接観察とビデオカメラをもちいて仔ジカ(0、1、2歳)オス・メスの行動比較 (5)防鹿フェンスを設置し、シカの食圧をなくした状態での草地群落の現存量測定 2.沖縄県慶良間諸島 (1)区画法・糞粒法などによる屋嘉比島でのシカの生息数推定 (2)屋嘉比島の植生調査と食痕調査および糞分析によるシカの食性調査 3.以上の調査資料の室内測定作業、データベースの作成と論文準備
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岩本俊孝 外: "糞粒法によるシカ密度推定式の改良"哺乳類科学. 40(1). 1-17 (2000)
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[Publications] Tamate,H.B., et al.: "Genetic differentiation among subspecies of sika deer (Cervus nippon) with special reference to the phylogeny of C.n.ceramae, in the Kerama island group."Torophics. 10. 73-78 (2000)
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[Publications] 遠藤晃 外: "シカ用生け捕りワナEN-TRAPの試作・適用"哺乳類科学. 40(2). 145-153 (2000)
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[Publications] Endo,A.and T.Doi: "Asynchronous estrus of female sika deer (Cervus nippon) in a rutting season."Mammal Study. 26(in press). (2001)