1999 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド抗体を用いた葉緑体ATP合成酵素制御領域の研究
Project/Area Number |
11640643
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久堀 徹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40181094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 英樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40272710)
|
Keywords | ATP合成酵素 / CF_1 / ジスルフィド結合 / チオレドキシン / 調節 |
Research Abstract |
本年度は、計画当初、(1)葉緑体ATP合成酵素γサブユニット制御領域に対するペプチド抗体の作成、(2)ペプチド抗体を用いた活性制御の妨害、(3)抗体により影響を受ける領域に対する変異導入の三点を中心に研究を行うことを予定していた。ところが、変異導入の研究が予想以上の進展を見せたために、計画を一部変更し直接制御領域のアミノ酸配列を修飾することによって、制御領域の重要残基を特定する研究、およびγサブユニットともに活性制御に重要なεサブユニットの特にβサブユニットと相互作用をしていると思われる部位に変異を導入し、制御機構を直接同定することを先に試みた。これらの研究によってγサブユニツトの制御領域、35残基のアミノ酸領域の中で、特に削除によって制御能に大きく影響する配列(^<210>Glu-^<232>lleの中に存在する)約10アミノ酸を同定することが出来たので、これらに対して、来年度ペプチド抗体を作成する。 また、制御領域の荷電アミノ酸の中で、負電荷が三つ連続している領域に注目してこの三アミノ酸を、アラニン置換、リジン置換(正電荷)、および削除の三つの方法で変異導入した。この三アミノ酸は、制御に特に重要であるらしく、アラニン置換、リジン置換では著しく制御能が減少し、削除することによって制御能の逆転(還元すると活性が低下する)をみた(投稿準備中)。このように本年度の研究で、制御に重要な領域はかなり絞り込むことが出来たので、来年度はこれらに対するペプチド抗体の作成によって制御機構の解明を進める予定である。
|
-
[Publications] Stumpp M.T.: "Chloroplast thioredoxin mutants without active-site cysteines facilitate the reduction of the regulatory disulphide bridge on the γ-subunit of chloroplast ATP synthase"Biochmical Journal. 341. 157-163 (1999)
-
[Publications] Hiroshi T.: "The γ-subunit in chloroplast F-1-ATPase can rotate in a unidirectional and counter-clockwise manner"FEBS Letters. 463. 35-38 (1999)
-
[Publications] Bald D.: "ATPase activity of a highly stable α_3β_3γ Subcomplex of thermophilic F1 can be regulated by the introduced regulatory region of γ-subunit of chloroplast F1"J.Biol.Chem.. (in press). (2000)