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2000 Fiscal Year Annual Research Report

ラン藻のglnB遺伝子の生理的機能の研究

Research Project

Project/Area Number 11640646
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

小俣 達男  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50175270)

Keywords硝酸同化 / 活性調節 / アンモニア同化 / ゲルタミン合成酵素 / glnB / P2タンパク質 / リン酸化 / 2-オキソグルタル酸
Research Abstract

本年度は、ラン藻Synechocystis PCC6803を材料として、GlnB欠損株のアンモニア培地中での増殖の欠陥の原因を調べることによりGlnBの生理的機能について解析し、以下の結果を得た。
1.GlnB欠損株の増殖が、弱光条件下(40μE/m^2/s)では野生株と変わらないものの、強光条件下(200μE/m^2/s)では、対数増殖後期以降に著しく阻害されることを明らかにした。弱光条件から強光条件に細胞を移すと、野生株ではアンモニア同化能力が上昇したが、GlnB欠損株では上昇しなかった。これらのことから、GlnB欠損株は強光によりCO_2固定が促進されて炭素骨格(2-オキソグルタル酸)の供給が増えても、これに対応してアンモニア同化量を増やすことができず、そのため窒素欠乏状態に陥ったものと推定した。
2.1.の結果からアンモニア同化に関わる2つの酵素、すなわちグルタミン合成酵素とグルタミン酸合成酵素の活性がGlnB変異株で低いことを予測したが、この予測に反して前者の発現量はGlnB変異株で野生株の数倍程度高く、後者の発現量はGlnB変異株と野生株でほぼ同等であった。
3.GlnB変異株ではグルタミン合成酵素の遺伝子であるglnAをはじめ、窒素同化産物の蓄積により阻害される遺伝子群の転写量がすべて野生株の数倍のレベルに達していることがわかった。これらの遺伝子群は、Crp型の転写因子であるNtcAに支配されているが、今回得られた結果は、GlnBの欠損がNtcAによる転写制御に影響を与えないという以前の結果と相矛盾するものである。この矛盾の原因を突き止め、GlnBの生理的機能を解明するべく、現在研究を続行中である。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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