1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11640657
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
井上 和仁 神奈川大学, 理学部, 助教授 (20221088)
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Keywords | クロロフィル / バクテリオクロロフィル / 色素合成 / 光合成 / 光合成細菌 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度であったので、研究計画を達成する上での基礎的な研究を展開した。実績を以下に述べる。 (1)バクテリオクロロフィルg合成系の分子レベルでの解明関連 紅色細菌R.capsulatusのbchP破壊株がH.mobilisの染色体DNAライブラリーによって機能的に相補された相補株よりライブラリー由来のコスミドを単離し、その塩基配列を決定した。また、H.mobilisから数種の鉄硫黄蛋白質を単離精製し、そのアミノ酸の部分配列を決定した。これらの結果から H.mobilisの染色体上に第2の光合成遺伝子クラスターが存在するかどうか検討するための基礎的知見が得られた。 (2)緑色硫黄細菌の色素合成系の分子レベルでの解明関連 緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌から数種のクロロフィル合成遺伝子を新たに同定した。これらの塩基配列とデータベースにあるシアノバクテリア、ヘリオバクテリア、紅色細菌のクロロフィル合成遺伝子の系統関係を調べたところ,クロロフィルa合成系(シアノバクテリア)とバクテリオクロロフィルg合成系(ヘリオバクテリア)が最も系統が近いことが確認された。 (3)遺伝子操作による紅色細菌内でのクロロフィルaの生産関連 遺伝子操作による紅色細菌内でのクロロフィルaの生産を目指した紅色細菌内での遺伝子発現系を開発するために、好酸性光合成細菌Acidiphilium rubrumのMgキラターゼ遺伝子bchH,I,Dをpucプロモーターを利用した発現ベクターに組み込み、その有効性を調べた。
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[Publications] Masuda S., (他6名): "Structural and functional analysisi of photosynthetic regulatory genes, regA and regB from Rhodovulum sulfidophilum, Roseobacter denitrificans and Rhodobacter capsulatus."Journal of bacteriology. 181,14. 4205-4215 (1999)
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[Publications] Masuda T., Inoue K., (他6名): "Magnesium insertion by magnesium chelatase in the biosynthesis of zinc-bacteriochlorophyll a in an aerobic acidophilic bacterium Acidiphilium rubrum."Journal Biological Chemistry. 274,47. 33594-33600 (1999)