2000 Fiscal Year Annual Research Report
日長感受性に関連するGLP遺伝子の転写制御機構の解析
Project/Area Number |
11640660
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
小野 道之 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 助教授 (50201405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 布明 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 流動研究員
上田 健治 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 助手 (80279504)
井上 正保 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 教授 (90176446)
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Keywords | 花芽誘導 / 花芽誘導 / 概日リズム / 光周性 / 日長感受性 / アサガオ / シロイヌナズナ / germin-like protein |
Research Abstract |
昨年に引き続いて、シロイヌナズナのAtGLP2のプロモーターにレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)を接続してシロイヌナズナの形質転換植物を作成して解析した。その結果、転写開始点から上流-296〜389bpの約100bpの間に概日リズムの発現制御に必須なシス因子配列が含まれることが明らかとなった。この約100bpには既知の概日リズム発現のシス配列は無く、GATA配列が2回並んでいることが特徴的であった。このシス配列は、明期開始から14〜16時間目にピークを示す概日リズム発現を制御する配列として新規のものであるばかりではなく、長日条件による花成誘導の制御と関連する可能性がある。ごく最近、明期開始から8〜12時間目にピークを示す概日リズム発現を制御する配列としてEvening elementが報告された(Harmer et al.,2000)。Evening elementは逆方向のGATAが2回並び、AtGLP2の上述の配列と構造が類似していた。これらの結果は、概日リズム発現を制御するトランス因子が、ピークの時刻に特有な、しかし類縁のものであることを示す可能性がある。一方、AtGLP1とPnGLPのプロモーターにはこれらの配列に類似したものが複数存在した。概日リズム発現及び光周性花成に関連するトランス因子はGATA様の配列を認識する転写因子である可能性がある。本研究より、概日リズム発現の分子機構のモデルとして、複数の転写因子が関与する機構が提案され、光周性花成誘導にも関与する可能性のあるGATA結合性の転写因子の存在が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Michiyuki Ono: "Isolation and characterization of a MADS-box gene cDNA, PnMADS1, that is expressed both vegetative and floral meristems of Pharbitis nil."Plant Biotechnology. 17. 137-144 (2000)
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[Publications] Michiyuki Ono: "Agrobacterium-mediated transformation and regeneration of Pharbitis nil."Plant Biotechnology. 17. 211-216 (2000)
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[Publications] 小野道之: "GerminとGermin-Like Protein"植物の化学調節. 34. 148-157 (1999)
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[Publications] 小野道之: "植物の光周性と生物時計に関わる遺伝子"日本時間生物学会会誌. 6. 34-43 (2000)
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[Publications] 石田直理雄: "生物時計のはなしサーカディアンリズムと時計遺伝子"羊土社. 125 (2000)