1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640661
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
嶋田 幸久 理化学研究所, 植物機能研究室, 基礎科学特別研究員 (30300875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雄司 理化学研究所, 植物機能研究室, 研究員 (30281653)
浅見 忠男 理化学研究所, 植物機能研究室, 先任研究員 (90231901)
藤岡 昭三 理化学研究所, 植物機能研究室, 先任研究員 (60165355)
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Keywords | ブラシノステロイド / 光形態形成 / P450 / 環境応答 / 生合成制御 / 6位酸化酵素 |
Research Abstract |
ブラシノステロイド(BR)が「どのステップで生合成調節を受けているのか」「いつ・どこで合成されて働くのか」を明らかにし、BRが植物の成長と形態形成を制御する仕組みの一端を明らかにすることを目的として研究を行っている。 まず、明所と暗所で育てたキュウリのBR内生量を定量したところ、光がBR生合成を活性化する事が示唆された。同時に6位酸化酵素が光活性化の鍵ステップとなることが示唆された。そこでアラビドプシスから6位酸化酵素をコードする遺伝子をクローニングして酵母細胞で発現させ、同遺伝子の機能を証明した。次に同遺伝子の植物における発現を調べたところ、光によって遺伝子発現が正に制御されていることを明らかにできた。一方、申請者の所属する研究室ではBR生合成の特異的阻害剤であるブラシナゾール(Brz)の開発に世界で初めて成功している。この阻害剤を用いたBR生理作用の解析を行ったところ、「発芽時の下胚軸伸長は発芽後、新たに合成されるBRに依存していること」、「BRは作用する部位の近傍で合成され、移行しにくいこと」や「BRの作用はサイトカイニンによって阻害されること」を明らかにした。また、これまでBR欠損ミュータントの解析から「暗所でBR生合成が止まると光形態形成が進行する」と報告されていたが、それは植物の生育条件によって結果が異なり、慎重に検証を行っていく必要があることも明らかにした。また、いくつかのBrz耐性アラビドプシスミュータントのスクリーニングを行っている。
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