2001 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の生殖巣に見い出されたカルシトニンmRNAの生理的意味の解明
Project/Area Number |
11640662
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笹山 雄一 金沢大学, 理学部, 教授 (30018999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 将 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10101734)
鈴木 信雄 金沢大学, 理学部, 助手 (60242476)
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Keywords | カルシトニン / mRNA / 卵 |
Research Abstract |
本研究は、ラットの子宮の腺細胞で骨硬化ホルモンであるカルシトニンが発現しているという米国の研究者の報告に刺激され、試みにキンギョの精巣・卵巣をホモジェナイズしてRT-PCR法でカルシトニンcDNAが増幅されるか否かを行ったところ、まさしくそれが増幅され、さらにキンギョの精巣でカルシトニン免疫陽性神経線維が見つかった所から始まった。したがって、ティラピアを用いて生殖巣へ軸索を伸ばしている神経節に免疫染色を行ない、神経軸索が、例えば生殖巣の筋肉にアクセスしているのか、あるいはステロイド産生細胞へアクセスしているのか、神経節を切除したらどうなるのか等を見たかった。しかしながら、ティラピアの神経節に免疫陽性反応はなく、しかも神経節は分節していることがあり、全摘出は困難であることもわかった。従って、当初の計画は頓挫してしまった。しかしながら、生殖巣内のカルシトニンの発現にこだわり、さらに全くの試みに、サケの未受精卵を数個ホモジェナイズしてRT-PCR法による増幅を試みると、明らかに鰓後腺がつくるタイプと同じタイプのカルシトニンcDNAが増幅された。したがって、残りの時間を全力を挙げて卵の中でカルシトニンmRNAがどこにあるのか、発生に伴ってどうなるのかを調べた。その結果、卵の動物極側に多く存在すること、卵膜にも卵黄にも存在し、発生中も検出できることがわかった。ペプチドホルモンのmRNAが未受精卵にすでに含まれているという発見は脊椎動物では初めてであり、日本動物学会第70回大会にて報告した。詳細は、研究成果報告書に載せてある。タイトルと研究内容が異なる結果となり、今回は痛い教訓となったが、この発見は脊椎動物全体に関わる重要なことかもしれず、今後も研究を続けて行きたいと考えている。
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[Publications] Urata.M, Sasayama.Y, Matada.M他: "Calcitonin-immunoreactive cells of the digestive tract of the amphioxus are distributed concentrically in a restricted region of the mid-gut"Acta Zoologica(stockholum). 82. 73-77 (2001)
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[Publications] 笹山雄一: "微小重力下におかれた脊椎動物の生理:特にCa代謝に注目して"宇宙生物科学. 15. 3-14 (2001)
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[Publications] Sasayama.Y, Takemura.M, Takano.K: "Ultimobranchial glands in the teleost(Plecoglossus altivelis ryukyuensis) : Special references to changes of gland volume with maturation"Okajima Folia Anatomica Japonica. 78. 101-106 (2001)
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[Publications] 戒田典久, 笹山雄一: "オニオコゼ3倍体のCa代謝:鰓後腺の形態"平成13年度日本水産学会春季大会講演要旨集. 85 (2001)
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[Publications] 井尻憲一, 水野りえ, 本田彰, 笹山雄一: "メダカ胚におけるカルシウム代謝の研究-鰓後腺と骨及び耳石研究"Space Utilization Research. 17(印刷中). (2002)
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[Publications] Kobayashi.D, Sasayama.Y: "Changes in the number of calcitonin-immunoreactive cells in the brain of the brook lamprey during body growth"Zool. Sci.. 18 Suppl. 24 (2001)