1999 Fiscal Year Annual Research Report
無脊椎動物における炭酸カルシウム結晶形成の遺伝的制御機構
Project/Area Number |
11640670
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松代 愛三 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (00029753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 裕史 近畿大学, 生物理工学部, 助手 (20271413)
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Keywords | バイオミネラル / 貝殻 |
Research Abstract |
アコヤガイの貝殻は炭酸カルシウムの結晶からできているが、多くの二枚貝がそうであるように外部である表と軟体部に接する裏側とでは、構造的に異なっている。この違いは結晶形の違いであり、どちらも炭酸カルシウムであるのは同じである。ただ、表は稜中層と呼ばれ方解石結晶で裏は真珠層と呼ばれアラレ石結晶となっている。このように近接した領域で結晶形が異なって形成される原因は貝殻中に含まれるタンパク質にあることが示唆されている。我々のグループでは、真珠層に存在する主要なタンパク質としてnacreinを単離し、そのcDNAをクローニングすることに成功したが、本研究では、稜中層に存在すると予想される一つのタンパク質のcDNAをクローニングし、その塩基配列を決定した。 その結果、このcDNAによってコードされるタンパク質はカーボニックアンヒドラーゼのタイプ8(CA8)にもっとも類似していることが明らかとなった。CA8に関しては小脳のプルキンエ細胞やマウス胚発生の過程で広範な発現を示すことがわかっているが、その機能に関してはよくわかっていない。今後、石灰化をにらんでCA8の機能解析を進めていくことで、CA8の役割が解明されていくのではないかと期待している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 宮下.高木.宮本.松代: "アコヤ貝稜中層の可溶性マトリックスタンパク質における炭酸脱水酵素活性"近畿大学生物理工学研究所紀要. 1. 36-40 (1998)
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[Publications] Miyamoto,H.: "Molecular analysis of Nacrein,a common Carbonic anhydrase involved in mollusk shell formation"Research for the Future Program,Genetic Engineering of Animal Protein Resources. 31-39 (1998)
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[Publications] Matsushiro,Sato,Miyamoto,Yamamura: "Characteristics of stx-Converting Phages of EHEC 0157."近畿大学生物理工学研究所紀要. 2. 6-10 (1999)
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[Publications] Matsushiro,Sato,Miyamoto,Yamamoto,Honda: "Induction of Prophages of Enterohemorrhagic Escherichia coli.0157:H7 with horfloxacin"J.Bacteriol.. 181. 2257-2260 (1999)
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[Publications] Miyamoto,Nakai,Yajima,Fujibayashi,Higuchi,Sato,Matsushiro: "Seguence analysis of Stx2-conrerting phage VT2-Sa shows a great divergence in early regulation and replication regions"DNA Research. 6. 235-240 (1999)