1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640687
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 教授 (70057735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨 修 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60231544)
杉本 雅純 東邦大学, 理学部, 講師 (20235899)
岩室 祥一 東邦大学, 理学部, 講師 (70221794)
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Keywords | 赤色素胞 / 光感受性 / 光受容タンパク質 / サイクリックAMP / ロドプシン |
Research Abstract |
本年度得られた知見は次のようにまとめることができる。 1.ナイルティラピア尾鰭の皮膚標本を用いて、光の波長と赤色素胞反応の関係を解析した。400-440nmで色素顆粒の凝集が、470-530nmで拡散が、550-600nmで凝集が起こった。また、培養赤色素胞においても400nmで凝集、500nmで拡散、600nmで凝集が誘起されたので、赤色素胞は光に対して直接反応していることが確認された。さらに、これらの反応性には季節によって違いがみられ、秋から冬の間は反応性が低下した。 2.野生メダカ黄色素胞は400-420nmの波長に対して凝集反応を示すことがすでに報告されているので、他の波長についても検討したが、有効波長は新たに見い出せなかった。 3.タイリクバラタナゴの婚姻色発現個体の鰭に存在する赤色素胞が光に対して直接反応することを新たに発見したので、引く続き解析を行う。 4.ナイルティラピア尾鰭からのmRNAの単離とcDNAの作成、PCR法による光受容タンパク質cDNAの検索を試みたが、光受容タンパク質らしき遺伝子は単離できなかった。そこで、ティラピア尾鰭由来のcDNAライブラリーを、lambda Zap expressというベクターを用いて作成した。作成したcDNAを用いてPCRを行ったが光受容タンパク質らしき遺伝子は単離できなかった。今後はプライマーをいくつも作って試すなど、研究を継続する。 5.情報伝達系を、各種阻害剤を用いて検討した結果、凝集反応においても拡散反応においても、サイクリックAMPの関与が示唆された。さらに検討を続ける。 6.ミズダコのロドプシン抗体(FITCラベル)を用いて、ロドプシンの存在を調べようと試みたが、赤色素胞自身の自家蛍光が強く、方法をさらに検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Oshima,N and Yokozeki,A.: "Direct control of pigment aggregation and dispersion in tilapia erythrophores by light."Zoological Science. 16. 51-54 (1999)
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[Publications] Fujii,R.,Yamada,T.and Oshima,N.: "Further improvements of the photoelectric method for measuring motile responses of chromatophores."Zoological Science. 17. 33-45 (2000)
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[Publications] Oshima,N.and Goto,M.: "Prolactin signaling in erythrophores and xanthophores of teleost fish."Pigment Cell Research. 13(Supplement). in press (2000)
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[Publications] Hisatomi,O.et al.: "Primary structure of a visual pigment in bullfrog green rods."FEBS Letters. 447. 44-48 (1999)