2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640687
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Research Institution | Toho Unversity |
Principal Investigator |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 教授 (70057735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60231544)
杉本 雅純 東邦大学, 理学部, 助教授 (20235899)
岩室 祥一 東邦大学, 理学部, 講師 (70221794)
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Keywords | 赤色素胞 / 光感受性 / 視物質 / 錐体赤 / 錐体緑 / 虹色素胞 / mRNA |
Research Abstract |
本年度に得られた知見は次のようにまとめることができる。 1)光感受性赤色素胞が存在するナィルテイラピア尾ひれには、錐体赤・錐体緑のmRNAが存在することが繰り返し確認されたが、存在を予測している青視物質は確認できておらず、引き続き検討している。 2)光に対する赤視物質の反応性は春から夏に高く、秋から冬に低下するので、視物質の発現も季節によって異なる可能性があると考えた。そこで緑視物質のmRNAの発現を6月と10月で比較したところ、10月の発現がかなり低いことがわかった。地表に届く太陽スペクトルは500nm光が最も多く、緑視物質の吸収ピーク波長はまさしく500nmである。太陽光減少と視物質発現量の低下に相関関係が認められたことは、赤色素胞の光感受性の行動学的意義を示唆している。 3)尾ひれcDNAライブラリーを作成し、PCR断片をプローブとしたスクリーニングにより翻訳領域全長をコードするcDNAの単離を試みた。錐体赤・錐体緑はゲノムDNAとして報告されている塩基配列と相同であり、眼の網膜と同一の視物質が赤色素胞にも発現していることが判明した。 4)in situバイブリダイゼーションを行い、赤視物質mRNAが赤色素胞で発現していることが確認されたが、緑視物質も含めて継続して調べられる。 5)ネオンテトラ体側縦縞部の光感受性虹色素胞についてのmRNAの発現については明確にならず、今後の課題として残された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Noriko Oshima: "Direct reception of light by chromatophores of lower vertebrates"Pigment Cell Research. 14. 312-319 (2001)
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[Publications] N. Oshima et al.: "Comparative analyses of the pigment-aggregating and -dispersing actions of MCH on fish chromatophores"Comparative Biochemistry and Physiology. 129C. 75-84 (2001)
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[Publications] N. Uchida-Oka, M. Sugimoto: "Norepinephrine induces apoptosis in skin melanophores by attenuating cAMP-PKA signals via α_2-adrenoceptors in the medaka, Oryzias latipe"Pigment Cell Research. 14. 356-361 (2001)
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[Publications] 大島範子, 杉本雅純(分担執筆): "色素細胞(第12章「魚類における色素細胞反応と体色変化」分担)"慶應義塾大学出版会. 288 (2001)