1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640692
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大場 秀章 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20004450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 忍 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (50196515)
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Keywords | ヒマラヤ / ツリフネソウ属 / 多様性 / 花型 |
Research Abstract |
1.中国・ヒマラヤ地域を中心に収集した野生ツリフネソウ属植物約20種について、rbcL、ITS1、trnF-trnL nondoding region(trnF-L)の遺伝子領域を用い、分子系統解析を行なった。rbcLとtrnF-Lを用いた分子系統樹によって、ツリフネソウ属の種間系統関係に関する情報が初めて得られた。得られた結果より、ツリフネソウ属は、ヒマラヤ地域に分布する種、東アジアおよび北半球温帯地域に分布する種、旧熱帯地域に分布する種は、それぞれの地域ごとに系統的にも近縁であることが明らかになった。また、ヒマラヤ地域の種は2つのグループに分かれることが明らかになった。 2.上記の研究成果をこれまでにえられた形態学的研究成果、特に、花型、花序、染色体数と比較し、系統進化を反映した形態形質は何かを明らかにした。また、分子系統樹と花序との相関関係を明らかにした。花序形態については、分子系統樹からは、総状花序が短縮されていく進化傾向にあるという説が支持されることが明らかになった。さらに、染色体数については、n=9が祖先種であるということが示唆された。一方、花の進化を解明する上で重要であり、分類形質としても最重要であった下萼片の形態は平行進化した可塑性の高い形質であることが示唆された。 3.成果を第16回国際植物科学会議(1999年8月1〜7日、アメリカ合衆国セントルイスにて開催)で発表し、国外研究者との情報交換を行った。
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Research Products
(1 results)