1999 Fiscal Year Annual Research Report
単子葉植物の初期進化の道筋をたどる-表現型進化と遺伝子型進化の非同調性を探る第一段階として-
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11640701
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田村 実 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20227292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 寛則 神戸大学, 農学部, 助手 (50294202)
植松 千代美 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30232789)
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Keywords | 単子葉植物 / シュロソウ科 / キンコウカ科 / ショウブ科 / 核型 / matK遺伝子 / 分子系統 |
Research Abstract |
1.原始的単子葉植物であるシュロソウ科(広義)の9属17種35個体の核型を決定した結果、染色体が非常に小さいキンコウカ・グループ(最大染色体長:0.7μ〜1.7μ)と比較的大きいシュロソウ・グループ(最大染色体長:2.5μ〜6μ)が認められた。しかし、前者はx=14〜16、後者はx=8,10〜12,15〜17で、両グループとも染色体基本数によってはまとまっていなかった。 2.原始的単子葉植物であるショウブ科とシュロソウ科(広義)の13属27種39個体について、trnK遺伝子イントロン上のmatK遺伝子(約1550bp)の塩基配列を決定した。 3.同時に派生的単子葉植物17科22属22種22個体のmatK遺伝子の塩基配列を決定した。 4.これらの塩基配列データに基いて単子葉植物全体の分子系統を構築した結果、比較的大きい染色体をもつシュロソウ・グループは分子系統樹上でも一つにまとまったが分子系統樹の比較的末端部分に位置した。非常に小さい染色体をもつキンコウカ・グループとショウブ科は分子系統樹の根元付近から分岐したが、それらは一つのグループにはまとまらず、キンコウカ・グループは3つに分割された。 5.来年度はrbcL遺伝子(約1320bp)を同時に解析して、matK遺伝子とrbcL遺伝子の結合塩基配列データ(約2870bp)に基づくより信頼できる分子系統を構築した上で、原始的単子葉植物の表現型進化と遺伝子型進化の非同調性の問題の解決を試みる。
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Research Products
(1 results)