1999 Fiscal Year Annual Research Report
極微プローブ光を用いた半導体微細構造の空間および時間分解分光に関する研究
Project/Area Number |
11650008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇佐美 徳隆 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20262107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 俊人 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00192526)
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
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Keywords | 半導体量子井戸 / 半導体量子ドット / フォトルミネッセンス / 局在励起子 / 帯電励起子 / 励起子分子 |
Research Abstract |
半導体量子井戸および量子ドット構造の表面に、微細加工技術を駆使し、サブミクロンの大きさの開口部を持つ金属マスクを作製し、微小領域からの発光をプローブすることにより、低次元量子構造における励起子の電子状態についての知見を得ることを試みた。このような局所分光法により、量子井戸のフォトルミネッセンススペクトルの面内分布を測定したところ、スペクトルに微細構造があらわれ、その微細構造が、測定位置に大きく依存することが明らかとなった。多数の開口部からのスペクトルを平均すると、微細構造は消失するものの、通常のマクロ分光のスペクトルとは一致せず、局所分光によって得たスペクトルの方が低エネルギー側にシフトしていた。この事から、局所分光においては、マクロ分光で検出できないような、状態密度の小さい局在励起子についても検出可能であることがわかった。このような局在励起子は、界面構造の微細な揺らぎを反映していると考えられ、今後、量子井戸の界面構造との相関について検討していく。 また変調ドープを施した半導体量子ドットに、電場を印加することにより、ドット内の電子数を制御し、その光学特性への影響を詳細に調べることを試みた。ある局所電界において、単一量子ドットからの発光の輝線群は、不連続に変化しドット内の電子数が変化したことが示唆された。基底状態と、第一励起状態まで考慮した半導体量子ドットの電子状態の計算と、発光スペクトルを比較したところ、帯電励起子、帯電励起子分子など、さまざまな複合励起子のエネルギーに対応していることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N. Usami: "Microscopic probing of localized excitons in quantum wells"Inst. Phys. Conf. Ser.. (発表予定).
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[Publications] N. Usami: "Magneto photoluminescence spectroscopy of AlGaP-based neighboring confinement structures"Phys. Rev. B. 60. 1879-1883 (1999)