1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 和彦 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80202266)
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Keywords | 窒化ガリウム / 微結晶粒子 / 蛍光体 / 気相合成 / X線回折 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
本研究では、新たに提案した2過程の気相法により、窒化ガリウム(GaN)系微結晶粒子の制御性に優れた作製法を確立することを目的としている。今年度は、主に結晶核形成過程について以下の結果を得た。 1.金属GaをBNるつぼ中で約1100℃に高周波加熱し、発生したGa蒸気とNH_3を、800〜1050℃の反応炉内で混合・反応させた後、反応炉の出口においてフィルターにより紛体試料を捕集した。得られた試料はGaN粒子と未反応のGaの混合物であった。塩酸を用いてGaを除去した試料についてX線回折測定を行ったところ、wurtzite構造のGaNに特有なピークのみが観測され、合成された粒子が六方晶GaNの微結晶であることを確認した。粒子形状については、粉末が粒径0.1〜2.0μm程度の多面体状や不定形の粒子で構成されていることがSEMにより確認された。粒径分布はN_2とNH_3の流量や反応炉の温度などの合成条件により変化し、ガス流量が増加すると平均的な粒径は小さくなり0.1〜0.2μmの粒子が主となる傾向が得られた。 2.上記合成法で作製したGaN粉体は、バンド端発光が支配的なフォトルミネッセンスを示した。主として、小さい粒子がほとんどの試料♯005と小さい粒子と大きい粒子がほぼ半々の割合の♯012を用いて、粒径依存性の評価を行った。24Kにおいて、#012のスペクトルにはバンド端近傍の3.4eV近傍に3つの発光過程が観測された。高エネルギー側のピーク(3.46eV)は束縛励起子によるものと考えられる。一方#005では、3.20eVにブロードな発光が観測された。強度は約♯012と比べて低いが、これは粒子径が小さいことから、粒子表面での非発光再結合が起こりやすいことに起因していると考えられる。この発光の起源については現在検討中である。
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