2001 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロンX線マイクロビーム入射の局所動力学回折による表面トポグラフィの開発
Project/Area Number |
11650019
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
近浦 吉則 九州工業大学, 工学部, 教授 (40016168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 芳文 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10206550)
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Keywords | X線トポグラフィ / マイクロビーム / シンクロトロン放射光 / X線散乱トポグラフィ / 化合物半導体 |
Research Abstract |
局所解析を可能とする基礎的技術として注目されている第三世代シンクロトロン放射光マイクロビームの利用は、(1)結晶による反射・回折による単色平行ビーム、(2)湾曲ミラーやFZPによる単色または準単色の収束ビーム、の二種のマイクロビームに限られている。本研究では、これまでどこもやられていない高エネルギー白色平行マイクロビームを創成して、それをX線散乱トポグラフィに応用するともに、適当な回折ジオメトリによって表面トポグラフィを設定することである。 このような新しいマイクロビームの形成に、昨年度末に成功した。5μm以下の直径と200keVの性能を有する。今年度はこのマイクロビームを再現性よくスリットシステムを製造する技術の改良につとめた結果、安定的に供給できるまでになった。このシステムよって、30、60、120keV散乱線による転位の個別分解トポグラフ観察に成功した。この結果は、2002年1月のシンガポールでのシンクロトロン放射光材料科学国際会議で公表した。 さらに転位のコントラストがエネルギーに依存すること、その原因は回折動力学効果によるものということを明らかにした。この結果は、今年9月、グルノーブルで開かれるXTOP-2002で発表の予定である。また、この高エネルギー白色平行マイクロビームによって、SiCの内部構造評価を行うと共に、InAs/GaAsの表面エピ膜結晶の構造評価にトライした。従来のトポグラフィとは質的に異なる画像計測法であることが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 近浦吉則, 飯田敏, 他: "Construction of Topography Stations at Spring-8 and First Observations"J. Phys. D : Appl. Phys.. 34・10. 158-162 (2001)
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[Publications] 川戸清爾, 近浦吉則, 飯田敏: "Large-Area X-Ray Topography to Observe 300-mm-Diameter Silicon Crystals"Spring-8 Research Frontier. 1999/2000. 89-91 (2001)
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[Publications] 田中洋介, 近浦吉則, 鈴木芳文, 太田成俊: "コンピュータ物理学-CAIと複雑系序論-"東京教学社(株). 280 (2001)