2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650020
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
藤原 賢三 九州工業大学, 工学部・電気工学科, 教授 (90243980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 昭泰 九州工業大学, 工学部・電気工学科, 助手 (90325572)
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Keywords | 量子井戸 / フォトルミネッセンス / 励起子 / 量子捕獲 / 時間分解発光 / 発光ダイナミクス / 発光再結合寿命 / GaAs |
Research Abstract |
複数個の電子的に独立した、異なる井戸幅の量子井戸から構成される量子複合構造系において、光生成された電子・正孔ペアまたは励起子(エキシトン)の競合的量子捕獲過程が現れる機構を、格子温度などの関数として、発光ダイナミクスの研究から明らかにした。今年度は以下の項目について研究を実施し、3件の論文としてまとめた。 (1)量子捕獲ダイナミクスの井戸幅揺らぎ依存性 MBE結晶成長時に成長中断法を用いて作製した単原子層テラス構造を有するGaAs量子複合構造系の試料について、量子捕獲ダイナミクス過程が存在することを実験的に検証した。本実験の詳細な解析から複合量子井戸からの発光強度分布に及ぼす効果は、障壁層バンド端と第一励起サブバンドエネルギー準位の相対的なエネルギー位置関係が重要であることを新に発見した。即ち、光励起された励起子の運動量の違いにより、異なるエネルギー緩和過程が存在することを実験的に検証した。また、昨年度と同様の格子温度依存性の測定を行い、量子捕獲ダイナミクス過程の増強効果を確認した。 (2)量子複合構造系の量子捕獲ダイナミクスとその機構 外部障壁クラッド層のヘテロ構造のみが異なるGaAs量子複合構造系の試料間の比較から、クラッド層が前回と同様の混晶半導体ではなくGaAs/AlAs超格子で構成された試料では、発光強度分布及び発光ダイナミクスが全く異なった発光特性を示すことがわかった。また、格子温度効果を調べ、量子捕獲過程による発光強度分布差が現れる機構は外部障壁クラッド層のエネルギー構造の違いにより変わり得ることを確認した。 今後は、この特異な量子井戸間の動的発光過程の現れる量子現象について、その微視的機構を、さらに追求、解明して行く予定である。
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[Publications] M.Matsuo,K.Sasayama,T.Nogami,K.Satoh and K.Fujiwara: "Exciton localization dynamics due to shallow and deep isoelectric traps in a triple GaAs quantum well grown by growth-interrupted molecular beam epitaxy"Proceedings of 11th International Semiconducting and Insulating Materials Conference (SIMC-XI). 244-247 (2001)
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[Publications] K.Fujiwara,H.T.Grahn,L.Schrottke and K.II.Ploog: "Photoexcitation-energy-dependent capture dynamics of excitons in electronically isolated GaAs quantum wells"Proceedings of 25th International Conference on the Physics of Semiconductors. (in print). (2001)
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[Publications] K.Fujiwara,H.T.Grahn,L.Schrottke,and K.H.Ploog: "Time-resolved photoluminescence of a triple GaAs quantum well with growth islands under resonant photoexcitation into the ground and excited states"Proceedings of Advanced Research Workshop on Semiconductor Nanostructures (Queenstown, New Zealand, 2000) : Physica E. (to be publishied). (2001)