2000 Fiscal Year Annual Research Report
非対称量子井戸構造を用いた新原理光量子効果素子の研究
Project/Area Number |
11650021
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Research Institution | Research Institute for Advanced Science and Technology(RIAST), Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河村 裕一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (80275289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 直久 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (60275287)
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Keywords | 量子井戸構造 / 分子線エピタキシー / タイプI構造 / タイプII構造 / ヘテロ界面 / 非対称量子井戸構造 / バンド不連続 / 量子効果光デバイス |
Research Abstract |
今年度はInGaAs/InAlAsタイプII量子井戸構造とInGaAs/GaAsSbタイプII量子井戸構造を結合したInGaAs/GaAsSb/InAlAs非対称量子井戸構造を分子線成長法(MBE)により作製し、各種の測定により結晶を評価した。まずX線回折測定により超格子構造が形成されていることを確認出来た。測定から得られた周期は計算値と良く一致した。また電気的特性を評価した結果、電子濃度1x10^<16>cm^<-3>、電子移動度4000cm^2/vsという値が得られ、高品質の結晶であることが確認された。次に光学的特性としてフォトルミネッセンス(PL)スペクトル、および光吸収スペクトルの測定をGaAsSb層をパラメータとして変化させて行った。PLスペクトルのピーク波長はGaAsSb層厚とともに超波長側にシフトし、その変化量は計算値と良く一致した。これは設計通りの量子準位が形成されていることを示している。PL強度はタイプI構造と同等以上のものが得られた。このことは非発光再結合中心の少ない光学的品質が高い結晶が得られていることを示している。ただしPL半値幅はGaAsSb層を導入した場合、増大することが観測された。これはInGaAs/GaAsSbタイプII界面における組成揺らぎに起因したものと考えられる。また光吸収スペクトルにおいては1.5μmにおいて明瞭な励起子吸収ピークが観測された。このことは今回作製した非対称量子井戸構造を用いることにより大きな励起子の電界効果が得られる可能性を示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kataryama,Y.Kawumura,H.Takasaki,A.Yamroto,N.Inoue: "InGaAs/GaAssb type II quantum well structures lattice-mated to InP"Journal of Crystal Growth. 209. 450-453 (2000)
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[Publications] H.Takasaki,Y.Kawanura,T.Katayama,H.Nato,N.Inoue: "Photoluminescence properties of InGaAs/GaAsSb type II quantum will structures lattice-matchad to InP"Applied Surface Science. 159/160. 528-531 (2000)
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[Publications] 高崎英樹,河村裕一,片山貴富,山本明子,井上直久: "分子線成長InGaAs/GaAsSbタイプII多重量子井戸層のフキトルミネセンスのドービング特性"Journal of Vacuum Scociety of Japan (真空). 43. 104-107 (2000)