2000 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素結晶のシリコン上直接エピタキシャル成長過程の原子レベルモニター
Project/Area Number |
11650028
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
安井 寛治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70126481)
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Keywords | 立方晶炭化ケイ素 / 有機ケイ素化合物 / RHEED / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究は、シリコン基板上に高融点半導体である立方晶炭化珪素(3C-SiC)のエピタキシャル成長を、有機ケイ素化合物を原料に用い低温で実現するため、成長過程を原子レベルでモニターすることを目的としている。 平成12年度は、ジメチルシラン(DMS)を原料に用いて低温エピタキシャル成長実験を行い、減圧CVD法では950℃までしか成長を確認できなかったのに対し、トライオードプラズマCVD法では、900℃までエピタキシャル成長が可能であり、その成長速度の活性化エネルギーが減圧CVD法に比べ約40kcal/mol減少した。またトライオードプラズマCVD法では、平成11年度実験を行ったモノメチルシラン(MMS)と今回のDMSで原料によらずほぼ同じ活性化エネルギーとなり、水素ラジカルの供給で反応の律速過程がメチル基の数の違いに依存しなくなることを見出した。更に、科学研究費補助金で購入した差動排気型反射高速電子線回折装置(RHEED)を超高真空対応走査型トンネル顕微鏡システムの結晶成長チャンバーに装着し、清浄シリコン表面Si(2×1)構造形成の後、DMSの吸着・反応による表面構造変化の観察を行った。その結果、基板温度650-750℃において3C-SiC結晶のスポットがインキュベーション時間の後、現れた。またそのインキュベーション時間内にSic(4×4)構造が出現し消失した。Sic(4×4)構造が出現する時間の逆数のアーレニウスプロットからその活性化エネルギーは約16kcal/molであった。また3C-SiCのスポットが現れてからSi(2×1)構造が消失するまでの時間をSiC初期成長時間とし、その逆数のアーレニウスプロットからSiダイマーの存在下でのSiC成長の活性化エネルギーは約45kcal/molであることが分かった。この値はDMS分子からの1,1水素脱離の活性化エネルギー68kcal/molやSiC結晶表面からの水素脱離の活性化エネルギー63、72kcal/molに比べ大きく、Si(001)表面からの水素脱離の活性化エネルギー47kcal/molとほぼ等しかった。これらのことからSi表面に吸着したDMSからSiダングリングボンドへ水素が移動し、その後Si表面から水素が脱離することで反応が進行することが推察された。そしてSi表面からの水素の脱離が律速過程になっていると推察された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kanji Yasui: "Growth of high quality SiC films on Si by triode plasma CVD using monomethylsilane"Applied Surface Science. (in press). (2001)
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[Publications] Kanji Yasui: "Epitaxial Growth of 3C-SiC Films on Si Substrates by Triode Plasma CVD Using dimethylsilane"Applied Surface Science. 159/160. 556-560 (2000)
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[Publications] Kanji Yasui: "Atomic Scale Monitoring for 3C-SiC Heteroepitaxial Growth on Si Using Organosilicon Compound"Proc.of Plasma Science Symposium 2001 and the 18^<th> Symposium on Plasma Processing. 627-628 (2001)
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[Publications] 前田智彦: "MMSiを用いたトライオードプラズマCVD法による3C-SiCの低温成長"電子情報通信学会技術研究報告. 100・396. 21-26 (2000)
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[Publications] 成田克: "有機ケイ素化合物と水素を用いたβ-SiC成長初期過程"電子情報通信学会エレクトロニクスソサィエティ大会講演論文集2. 22 (2000)
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[Publications] 成田克: "DMSを用いたSiCエピタキシャル成長の初期過程"第9回SiC及び関連ワイドギャップ半導体研究会予稿集. 25 (2000)