1999 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングプレートによる電子回折構造解析の精密化
Project/Area Number |
11650035
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
横田 康広 岡山理科大学, 自然科学研究所, 教授 (50200902)
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Keywords | 電子回折 / イメージングプレート / 結晶構造解析 / 超格子構造 / 衛星斑点 / 酸化マンガン化合物 / トンネル構造 / リチウムマンガン酸化物 |
Research Abstract |
これまでに遷移金属カルコゲナイドであるBaCu_3S_4やCu_<1.75>Seの低温相の構造解析を行ってきた。200kVの加速電圧を持つ透過型電子顕微鏡に液体窒素ヘリウムを冷媒として使う2軸傾斜試料ホルダーをセットし、撮影した電子回折像を得た。現れた超格子構造について構造を推定し可能な結晶模型を提案してきた。本研究が採択されたことよりイメージングプレート(IP)に記録した電子回折像に現れる斑点の強度について、定性、定量の両面より議論を進めている。まだ、定量的には電子回折の衛星斑点の強度を議論するには至っていない。 Cu_<1.75>Seの低温相の構造については室温での逆蛍石型のユニットセルの結晶格子定数a,b,cの各2倍の長さを持つ超格子構造のモデルを提案し、粉末X線回折および電子回折の回折強度を説明することに成功した。これは、像記録にはまだ電子顕微鏡フイルムを用いた結果であるが、J.Elec.Microsc.誌に論文として報告した。(印刷中) また、リチウムマンガン酸化物(Li_2MnO_3のLi抽出反応による構造変化については、第1報を本学自然科学研究所紀要に報告したが(印刷中)、IPに電子回折像を記録しているので今後の精密な議論が可能である。現在、2x4トンネル構造を持つ酸化マンガン化合物(alk-RUB-7 alK=Rb,K)を水熱合成し電子顕微鏡による構造を評価している。(alK-RUB-7)は電気伝導性があり抵抗率測定や帯磁率測定では200K付近に構造相転移が期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Okada,T.Ohtani,Y.Yokota Y.Tachibana and K.Morishige: "Crystal structure of the low-temperature phase of CU_<1.75> Se observed by electron diffraction"J. Electron Microsc.. (印刷中). (2000)
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[Publications] 笠石修司 湯偉平 横田康広 槙田洋二 加納博文 大井健太: "リチウムマンガン酸化物(Li_2MnO_3)のLi抽出反応による構造変化"岡山理科大学 自然科学研究所 研究報告. 第26号(印刷中). (2000)
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[Publications] Y.Yokota,T.Ohtani,A.Ihara,XeiMei and Q.Feng: "TEM Observations and Physical Properties of Rubidium-Manganese Oxide with 2×4 Tunnel Structure"ISHR&ICSTR2 高知 2000年7月. (発表予定). (2000)