2000 Fiscal Year Annual Research Report
層状構造物を含む系での超音波透過率の向上及び化学センサーへの応用に関する研究
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11650062
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 初儀 苫小牧工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教授 (80224525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 洋一郎 苫小牧工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (50300504)
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Keywords | 層状構造物 / 超音波 / 実効的音響インピーダンス / 実効的反射係数 / ロード・セル / 味覚センサー / 5基本味溶液 |
Research Abstract |
理論的研究では、層状構造物と液体の界面における超音波の透過と反射を記述する理論を精密に解析した.この結果、層状構造物の「実効的音響インピーダンス」と液体の音響インピーダンスを用いて、層状構造物から液体への超音波透過現象を記述可能とする理論を構成した.これは、「実効的反射係数」の概念を導入したもので、層状構造物のみならず、一般的な構造物の超音波に対する透過と反射にも応用可能である.(論文として投稿中) 共鳴透過の実験においては、実験装置に組み込む層状構造物と超音波トランスデューサ間の圧着状態を実験試料ごとに同一条件とするために、小型のロード・セル三個および電気回路を用い、加える荷重を測定する加圧計を作成した.また、ハイドロフォンからの出力電圧をGPIBからパソコンに取り込めるようにプログラムを作成し、音圧の相対的なパワー・スペクトルを即時に観測可能とした.以上の準備のもとで、CuとAgよりなる二重層を8層接続した層状構造物から水への超音波透過実験の基礎的データを得た.現在、これを解析中である. 味覚センサーの実験として、測定溶液は純水、5基本味溶液(酸味、塩味、苦味、甘味、うま味)、3種類の市販のお茶を使用した.溶液中の音速は、溶液中を伝搬するパルス波の時間間隔と距離から算出した.測定回数はそれぞれの溶液において5回とし、すべての溶液は測定前後に20℃の温度になるように条件を保ち、音速を測定した.なお、5基本味溶液については、人の感じる閾値の1Mから0.1M、0.01M、0.001M、0.0001Mへと各5段階の濃度を設定し測定を行った.5基本味溶液の各試料濃度が濃くなると、それに伴い音速も増加した.純水、お茶、5基本味溶液各0.01Mの計9種の音速を比較すると、それぞれ音速に違いが生じた.そのため、音速が溶液濃度の違いや、各種溶液の違いを見分ける際、1つの目安になりうると考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小島洋一郎,加藤初儀: "超音波による各種味溶液の基礎的研究"電子情報通信学会通学技報. 8月号. 95-100 (2000)
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[Publications] 加藤初儀: "層状構造物から水への超音波透過実験"苫小牧工業高等専門学校紀要. 第36号. 151-155 (2001)